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「とにかく、すごい選手でした。体幹が強いから相手と当たってもぜんぜん倒れないんです。最後衛でボールを持ったのに、そのまま一人で相手チーム全員をはじき飛ばしてトライするなんてこともありました」と語るのは、姫野和樹選手(25)が通っていた名古屋市立御田中学校時代の恩師・松浦要司さんだ。

 

ラグビー日本代表としてワールドカップで活躍し、次期キャプテンとも評される姫野。ラグビー部監督を務めた松浦さんによると、当時から規格外の身体能力を見せていたという。

 

「相手と接触するプレーには、天性のものがありました。でも彼はそれだけじゃない。一日も練習をさぼらないんです。無遅刻無欠席で、いつも真剣でした」

 

中1時代の部員名簿にあった彼のプロフィールには、《将来の夢 プロに入ること》と書かれていた。当時、松浦さんは驚きを隠せなかったという。

 

「ほかの部員が『ケーキ屋さん』とか『わからない』とか書いているなか、姫野だけはしっかりプロになることを見据えていたんです。まだ中1の夏、ラグビーを始めてから3カ月ほどの時期にです。そんな子は、彼以外にはいませんでした……」

 

姫野は、めきめきと頭角を現していった。高校に進学してからも、姫野は一日も休まず練習に励んでいたという。中部大学春日丘高校の宮地真監督はこう語る。

 

「うちではジムにあるようなマシンはなくて、使うのはバーベルのバーとプレートのみ。単純に重いものを上げる練習です。これを毎日続けるのは地道でつらいことですが、彼は欠かさず続けていました。そのうえ、彼はきちんと人のアドバイスも聞く。才能があって自主練を怠らず、人の意見にも貪欲に耳を傾ける。だから『こいつが日本代表にならなかったら誰がなる』と思っていました」

 

卒業式で『必ず日本代表になります!』と宣言していたという姫野。実際にその夢をかなえた彼はいまも、さらなる飛躍を目指して努力を続けているという。

 

「彼は日本代表のリーチ マイケル主将を尊敬していると言っていました。最近では同部屋になることが多いらしく、リーチさんからキャプテンシーを学ばせてもらっているようです。それに彼はいま、高校時代の先生に英語を教えてもらっているんです。レフェリーやチームメートとのコミュニケーションに必要ですからね。姫野は英語の成績がイマイチだったので、『こんなことになるなら』とぼやきながら頑張っていますよ(笑)」(宮地監督)

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