体操男子で’16年リオ五輪団体金メダルの白井健三(24)(日体大教員)が16日、日体大・健志台キャンパスで会見を開き、現役引退を発表した。少し緊張した様子で「わたくし白井健三は先日の全日本種目別選手権をもちまして現役を引退しましたことをここに発表させて頂きます。スッキリしている。選手としての未練はひとつもない」と語った。
‘16年のリオ五輪では、内村航平選手らとともに団体金メダル獲得に貢献するなど、五輪と世界選手権で金メダル6個、銀メダル3個、銅メダル4個を手にした。
また、床運動、跳馬で自らの名が付く技を計6つ残し「ひねり王子」の愛称で、10代から日本代表でチームを牽引してきた。
しかし、近年は度重なる故障や採点基準への適応に苦しんだ。さらに今年4月からの東京五輪代表選考会でも苦戦。今月の全日本種目別日本選手権ではゆかで2位となり復調をみせたが、2大会連続の五輪代表入りは逃していた。
そんな白井選手だが、実は6月5日、6日に行われた全日本種目別日本選手権直前の「日テレニュース24」のインタビューで、リオ五輪後からの五輪に対する心情の変化や、指導者に対する意欲を次のように明かしている。
「リオのときは自分の演技をすれば五輪に行けると思って演技をしていたが、今は『五輪』という文字は自分の頭の中にほとんどなくて。(略)今は五輪を目指したいという気持ちはなくなって。年を重ねて行く上で、自分の感覚を人に伝える魅力を覚え始めた」
引退会見でも、「おおよその引退のタイミングを決めたのはすごく早くて、リオ五輪のときには東京までかなと思っていた。(コロナによる)自粛が明けて、東京五輪のシーズンをやり抜いた形で引退しようと決めました。地元のオリンピックという1つの節目を区切りにしたいと思っていた」と、金メダルを獲得したリオ五輪から東京五輪をまでと決めていたと語った。さらに「指導者として既に歩みを始めている。後輩や年下の学生に自分がしてきた貴重な経験を伝えていきたい」と今後についても語っていた。
突然の引退発表にネットでは《もっと彼を見ていたかった。もっと応援したかった。》と24歳という若さで現役引退を惜しむ声と同時に、
《沢山の感動をありがとう!》
《世界のシライ、お疲れさまでした》
《第二の人生も頑張ってください》
《いつの日か白井2世が見られることを楽しみにしています》
など、指導者として歩む第二の人生への応援と、「ひねり王子2世」の育成を期待する声が続々と寄せられている。