■“にんにく抜き”に込められた母心
「羽生くんが好きなのが、お母さんお手製の餃子。羽生家の餃子は、しょうががたっぷり入った野菜餃子だそう。にんにくは入れないみたいですね。お母さんも、食の細かった羽生くんがしっかり食べてくれるようにいろいろと工夫されてきたそうなので、しょうがたっぷりの餃子もそんな母心の結晶かもしれませんね」(長年の羽生ファン)
“羽生と餃子”にまつわる友情のエピソードも聞こえてきた。
小中学時代、羽生と同学年で特別支援学級にいた友達・坂田裕熙さんとの逸話だ。スケートの授業では羽生が坂田さんに滑り方を教えたりと、仲よくしていたという。
自閉症だった坂田さんは高校卒業後、自立を目指す施設に通うようになったが、そこでは餃子を作って販売しており、坂田さんもその餃子づくりに関わっている。あるときから、その餃子を羽生の元へ送るようになったという。
坂田さんの父・俊晃さんに話を聞くことができた。
「ふつうの餃子なんですけどね。にんにく入りとにんにくなしの2種類あって、両方を送っていました。『おいしく食べてます』と結弦君からの言葉もいただきましたね。食べてほしいというよりは、『元気で頑張って。うちの息子も頑張ってますから』というメッセージを込めてお送りしていたんです」
金メダル級の“餃子愛”は、羽生自身の、そしてみんなの、心と体の活力になっているようだ。
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