《応援行きたかった……》《羽生君の有終の美を飾るオリンピックになるかもしれないのに残念》
来年2月に開催される北京五輪。新型コロナウイルス対策のため海外からの観客を受け入れないことが9月29日、国際オリンピック委員会(IOC)から発表された。その直後からネット上では冒頭のような羽生結弦(26)のファンたちの悲嘆の声が上がっている。
羽生にとっては、3連覇がかかる北京五輪。年齢を考えると、最後の五輪になる可能性も高い。偉業を見届けたいと、現地での応援を希望していたファンには残念な事態だがーー。
「応援に行けないことを嘆きつつも、コロナ禍だから仕方ないと納得しているファンが多いですね。そのうえで気持ちを切り替えて“応援を中国の人に託す”“中国にも羽生ファンがたくさんいるから大丈夫”などという内容の投稿がSNSに数多く見られました」
そう語るスポーツ紙記者は、「さらにこの反応が異例の広がりを見せたのです」と続ける。
「日本のファンたちの声に中国側が即座に反応したんです。まず在日中国大使館がツイッターに《ファンの皆さんの声がこちらにも届きました》などと投稿。さらに中国外務省の華春瑩報道官が、日本語で《羽生結弦選手ファンの皆さまへ「現地応援は中国の皆さんに託す」との声を目にしました。お任せください!》とツイートしたので驚きました。中国の高官まで動くほど、羽生選手の存在感が大きいということです」(前出・スポーツ紙記者)
そもそも北京五輪の日本代表は12月に開催される全日本選手権の結果などを受けて決まる。羽生が五輪に出られるかはまだわからない。にもかかわらず、中国政府から応援のお墨付きをもらい、14億人以上の人口を誇る中国だけにギガ級応援団がバックについたも同然(!?)な状況だ。
今回の中国側の対応について、中国国内事情に詳しいライターの安田峰俊さんは、
「北京五輪を成功させて国威発揚につなげたいという中国当局の思惑も背景にあるのでは。東京五輪についても中国はとても好意的でしたが、自国の五輪を盛り上げるためにしばらくの間スポーツ分野ではえびす顔が続くと思います」
と推測する。また「もともと羽生選手の中国での人気が高い」とも。
「中国でも、今回の件で『羽生結弦粉絲拜托中国観衆(羽生の応援は中国に任せて)』という言葉が検索ホットワードのトップになるほどです。哈牛(ハー・ニュウ)、柚子(ヨウ・ヅ)といった、羽生選手の名前を音訳したあだ名もあります」(安田さん)