■伸び悩む姿を自分の選手時代と重ねて
本田真凜といえば、’16年に世界ジュニア女王に輝き、一時期は“ポスト浅田真央”と呼ばれたほど。しかしその後は成績が低迷。今年に入ってスケート連盟の強化選手からも外れた。最近は引退をほのめかすほど自信を失っていたのだ。
「真央も選手時代に、成長とともに身長が伸びてジャンプに苦しんだりということを経験している。悩む真凜の気持ちがわかるのかもしれません」(本田武史さん)
ジュニア時代に花開き、その後スランプを経験――。かつての自分と似たものを感じて手を差し伸べたくなったのだろうか。
浅田は本田に、「私を含め真凜ちゃんを応援している人は多いよ」「元気な真凜ちゃんを見たい人はたくさんいるよ」などと前向きな言葉をたくさんかけたようだ。
「真凜は表現力が高いし、本当に華がある選手。伸び悩んだからと、そこでスケートを諦めてしまうのはもったいないことです。やはりすべての選手がオリンピックに行けるわけではないなかで、“点数のためじゃなく、自分のため、応援してくれる人のために滑ったらいい。結果がついてこなくても、自分にできることを最大限発揮すればいい”という意味の助言を、真央はしたんだと思います。そういうことを真央のようなすごいスケーターから言われるのは選手にとって、とても心に響くはずです」(本田武史さん)
浅田の助言を受け自信を取り戻し始めた本田は、12月下旬の全日本選手権の切符を手に入れた。浅田も“一番弟子”を応援し、その勇姿を見守ることだろう。
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