羽生結弦 揺れる北京五輪後の去就…4回転半成功まで現役続行の可能性も
画像を見る 表彰台に並んだ3選手(写真:アフロ)

 

■涙を流しながらつぶやいた「悔しい」

 

あるスポーツライターは、世界選手権で羽生は4回転アクセルだけでなく“勝ち”も狙いにいくと考えている。北京の競技後の取材を見て感じたことがあったからだ。

 

「インタビュー取材で、羽生選手が泣く場面がありました。テレビ朝日で現地リポートをしていた松岡修造さんと、日本テレビで現地リポートをしていた荒川静香さんの取材のときです。2人とも羽生選手とは普通の報道陣より距離が近い。だから気が緩んだのだと思います。この2人からのインタビューに対しては、はっきり『悔しい』と口にしているんです。我慢していた悔しさがあふれだした涙だったのかなと感じます」

 

松岡修造の取材では、羽生は「ちょっと待って、ダメだ……」と背を向け「テレビの前で泣くのはいやなんだけどな」と言いつつ涙を拭った。そして「悔しい」とポツリ。

 

荒川静香からは「自分を褒めてあげてください」と言われ、「自分では褒められないけど誰かに褒めてもらいたい」とも答えている。

 

「満足していないのは明らか。“このまま終わらない!”という闘う気持ちが、悔しさをばねに湧いてくるのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)

 

今後に向けて懸念されるのは、何度も故障している右足だ。14日の会見で羽生は、フリーの前日の練習で「普通の試合なら完全に棄権してた」というほどの捻挫をしていたことを明かし、次のように話している。

 

「今も安静にしてないといけない期間」「痛み止めもかなり強いものを許容量以上に飲んでいます」

 

ケガ、年齢、ライバル――。現役を続けていくには、闘うものがたくさんある。“悔しかった自分”を過去のものにするために、羽生はまた、茨の道へ入っていく。

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