大谷翔平が2年連続、2度目のMLBオールスター戦に出場すると、初球でヒットを記録! 日本人選手として、2009年のイチロー以来となる快挙を成し遂げた。
「今年は投手としての出番はなく打者としてのみの出場。“二刀流”の大谷選手が見られないことを残念がる声も上がっていましたが、昨年よりリラックスした雰囲気でとても素敵でした!」
こう話すのは、日本ハム時代から大谷を応援しているKAORUさん。現在はアナハイムに暮らし、昨年からは大谷出場の全試合観戦にもチャレンジ。大谷ファンの間でも一目置かれる存在である。
そんなKAORUさんに本誌が取材をするなか、驚愕したのが今年のオールスター戦観戦にかかった費用。試合の感想とあわせて、高騰する「メジャーマネー」の実情についても教えてもらった。
「オールスター戦は全米の注目が集まる人気の試合。昨年も安くはなかったですが、今年のチケット代と駐車場代の価格はとんでもないことになりましたね。
選手が豆粒程度にしか見えない席で11万円、『ここから見たい!』と思えるような席はなんと70万円近くの値段です。
さらに割高さを感じたのが駐車場代。今年の会場だったドジャースタジアムの駐車場代は、普段4千円ほどなのに、オールスター当日はなんと5万円以上もしました」
世界的な物価高と、とどまることを知らない円安の影響もあるとはいえ、相当な金額である。が、それですらまだ“安い”といえるよう。
「近年のMLBのチケット代は定価がなく、人気のある試合は高く、人気のない試合は安いという料金形態になっています。金額は人気に比例しての結果。つまり、あくまでも相場ありきなんです。
今年はチケットの入手が本当に大変でした。複数回ある購入受付のタイミングでは、毎回張り付いてリロードを繰り返しました。
チケットの再販サイトによる取引も活発ですが、その価格は往々にして公式より高くなるもの。だから2桁万円であっても、公式から買えるだけで、かなりラッキーなのかもしれません」
チケット再販・転売にも一定の文化があるアメリカならではの事情なのだろう。
それにしても、今年はなぜ昨年以上にチケット争奪戦が激化しているのか。
「アメリカではもはやアフター・コロナの日常となっているからでしょうか。感染対策はなりを潜め、会場各所に置かれた消毒液以外はコロナ以前となにも変わりません。外国人の入国もどんどん増え、日本人観光客の方たちも球場でたくさん見かけますよ。
そうしたなか心配だったのがグッズの入手でした。昨年のオールスター戦では、当日朝イチに駆けつけたのに、すでに大谷グッズは完売。ほかの選手のものは、軒並みまだまだ在庫があったのに……。
そこで今年は前日に現地入りして品切れに備えました。日米ともに人気が高いからか、グッズの転売価格も高騰していて、転売目的で買う人も多いんです(笑)」
「(大谷の人気は)昨年より落ち着いているかも」とオールスター戦前にKAORUさんは語っていたが、実際に試合を見た後の感想は異なっていた。
「メジャーのスーパースターばかりが一堂に会するオールスター戦。そうそうたるメンバーのなかでも、大谷選手の人気はすさまじかったですね! 登場するたびに大人から子どもまで大きな歓声があがっていて、“MLBの顔”という風格がありました。
打者に集中できたことが影響していたかは定かではないですが、昨年より余裕がある様子でファンサービスもさらに増加していたのではないでしょうか。
ただ、それ以上にうれしく感じたのは大谷選手自身が非常に楽しそうだったこと。ダッグアウト(ベンチ)でも、普段は対戦相手となるライバル選手たちと談笑したり、交流するシーンがたくさん見られて、チーム内外から人望のある大谷選手らしい光景でしたね」
1番DHで打席に上がるとカーショーから初球ヒットを放ち、実績面でもしっかりと見どころを作った大谷。あらためて全米に存在感をアピールしたところを見ると、いっそう「移籍」の2文字が頭をよぎる。
8月2日までのトレード期限では移籍の可能性は低いとの見方も多いが、今後について「状況次第では、意外とあっさり移籍する未来もあるのでは、と個人的には思います」とKAORUさん。
移籍せず契約延長の場合には、メジャー最大の「年俸60億円級の超大型契約」もまことしやかにささやかれている。
そんな二刀流同様の“規格外”な金額にも現実味を帯びさせる、充実のオールスター戦だったーー。
※記事中の金額は、1ドル=136.32円で計算しています。
【PROFILE】
KAORUさん
大谷翔平の試合全通を目指す、ファンの代表的人物。YouTube「『Shohei Ohtani Fan Club(非公式)』カオルチャンネル」にて、現地から大谷選手の様子を配信中。