■余命1カ月の少年の前で「トラウタニ弾」を
これだけではない。エンゼルスに移籍した大谷は’18年8月にも「約束のホームラン」を打っている。
「大谷選手は試合前に、大病と闘う余命1カ月あまりの少年と記念撮影したそうです。その日の試合ではマイク・トラウト選手(31)とともに見事、ホームランを放ったのです」(前出・在米スポーツライター)
その翌月、3度目の「約束のホームラン」がーー。
「試合前のグラウンドで大谷選手はアメリカの一人の少年と面会しました。少年は原因不明の難病を患っており、人工呼吸器をつけて車いすで生活していたそうです。その日は少年の7歳の誕生日だったそうです。初めて野球場を訪れ、憧れの大谷選手からサインボールのプレゼントまでもらった少年は、日本語で『ありがとう』と伝えたといいます。大谷選手も笑顔で喜んでいたといいます。
しかし、それだけで終わらせないのが大谷選手。なんと当日、ホームランを打ったんです。少年にとっては、きっと人生で一番のプレゼントになったことでしょう」(前出・在米スポーツライター)
あのベーブ・ルースを追い越す勢いで、子供たちとの約束をかなえ続ける大谷。その原動力となるのは、少年少女への愛情だーー。
「大谷選手は、子供たちへのファンサービスを欠かしません。たとえライバルチームのファンでも、平等に接しています。ある少年から『バットをもらえませんか?』と頼まれたとき、大谷選手は『あげないよ』と答え、さっとクラブハウスに戻ったそう。
しかし、再びグラウンドに現れて、その少年にサイン入りのバットをプレゼントしたのです。どんなに多忙でも、サプライズで子供たちを喜ばせようとする、大谷選手の心遣いが伝わります」(前出・在米スポーツライター)
なかでも大谷は、病いと闘う子供たちへの愛情が人一倍強い。
「’21年には『プレーヤーズチョイス賞』の賞金を慈善団体『ミラクルズ・フォー・キッズ』に寄付しました。がんなどの重病を患い闘病する子供たちとその家族を支援する非営利団体です。さまざまな慈善団体の中から子供たちが関わる寄付先を選んだところに、大谷選手の強い思いが見て取れます」(前出・在米スポーツライター)
’19年1月、大谷は生後まもなく重度の心臓病を患った川㟢翔平ちゃんをお見舞いするため、大阪の病院までやってきたこともある。その2カ月後、翔平ちゃんは天国に旅立つが、母・静葉さんの著書『翔平選手と翔平ちゃん 奇跡のキャッチボール』では静葉さんが、大谷への深い感謝の気持ちを綴っている。
「翔平ちゃんに対して『なんとしてでも力になりたい』と語っていた大谷選手。一人一人の子供たちに対する思いやりと行動力が、数々の『約束のホームラン』を生み出したのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
大谷はこれからも、ホームランに乗せて、病いと闘う世界中の子供たちへ希望を届け続ける。