「わが家には、お空にいる翔平の写真立てがあります。翔平に向かって、いまも『ご飯やで』と話しかけています。WBCのときは、3歳になる翔平の弟と一緒にテレビ観戦しました。写真立てをテレビの前に置いて、翔平も見られるように『今から大谷選手試合するで。お空から応援してよ』と話していました」
そう語るのは、川﨑翔平ちゃんの母・静葉さん。
8月26日に放送された『24時間テレビ46』(日本テレビ系)で、生後まもなく拡張型心筋症という重い心臓病を患い、生きていくためには心臓移植しかないと宣告された川﨑翔平ちゃんと、大谷翔平選手(29)との交流が紹介された。
大阪府内の病院で人工心臓をつけて闘病していた翔平ちゃん。両親らが募金活動を行い、米国での心臓移植手術を目指していた。静葉さんが“わが子に応援のメッセージを送っていただけないか”と支援団体を通じて打診したところ、大谷は同じ名前に縁を感じて快諾してくれたのだ。
’19年1月5日、大谷は府内の病院まで翔平ちゃんのお見舞いに訪れた。翔平ちゃんを抱っこした大谷は「あたたかいね……」と笑顔を見せ、その様子は各メディアで大きく報じられた。大谷のお見舞いが世間の関心を呼び、寄付金が大幅に増え目標の3億5千万に達したのは、その19日後のこと。移植に向けた最終調整を行ったが、渡米前に体調が悪化。同年3月10日、翔平ちゃんは1歳8カ月で旅立った。
だが、静葉さんは今も大谷への感謝の念を忘れたことはない。
「亡くなってもう4年になっているのに、皆さんが翔平のことを覚えていてくれて『翔平ちゃん』と今でも呼んでいただけることを、とてもうれしく思っています」
翔平ちゃんの下に、2人の弟たちも誕生した。
「次男は、ニュースで大谷選手が出ると『大谷翔平だ!』と喜ぶんです。おもちゃのバットを振っています。まだ3歳なんで、ルールもわかっていないと思いますが、野球をやりたいみたいです。いまもわが家では、いつも翔平が家にいるように過ごしています。
次男は家から出かけるときは『翔平いってくるよ!』と当たり前のように言っています。 お盆のときは台風やったんですが、“お盆に翔平が家に戻ってくるよ”と教えたからか『台風でものすごい風に飛ばされて、翔平がうちに来れなかったらどうしよう』とすごく心配していました」