■警察官による“人の鎖”をぶち破るのは至難の業だった
そんなAさんに話を聞いた。実は以前の優勝時にも飛び込んだことがあるそうで、今回で二回目だという。
「前の優勝のときは平気で橋の上に行けたし、好き勝手に飛び込めた。橋の欄干に上ると、集まった1000人ぐらいの阪神ファンから大声援が上がって。こっちもノリノリ。大歓声のなか『おぉー!』という感じで飛び込むと、みんな次から次へとダイブして大盛り上がりでした。
だから今日は当然、飛び込もうと思って友だちと一緒に和歌山から来ました。サトテル(佐藤輝明・24)がホームラン打ったのを見て、『これは優勝や!飛び込まなあかんやないか!』と思って(笑)。ただ前と違って、警備がめちゃくちゃ厳しくなっていて。橋の上から飛び込むのは不可能だったので、やむなく遊歩道からダイブするしかなかった」
それもそのはず。今回の警備人数は1300人。橋の両側に手をつなげるほどの間隔で警察がびっしりと並ぶ。その奥にも警察が睨みを聞かせていた。この“人の鎖”をぶち破って飛び込むのは、たしかに至難の業だ。
さらに阪神ファンが騒ぎ出しそうな様子を見せ始めると、橋を通行止めに。そのときも警察がロープのようなものを持ちあい、橋を封鎖していた。
さらに今回は、マイクで安全通行を呼びかける大阪のDJポリスも出動していた。いきなり「立ち止まらないでください!」と注意するのではなく、必ず「阪神ファンのみなさま、本日は優勝おめでとうございます」とお祝いのあいさつを挟む心遣いが。 結果、阪神ファンの暴れたいという気持ちもトーンダウン。
こうした警察のみごとな連携によって、飛び込む人の数は激減していたのだった。
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