■「テレビ壊してやろうかと思いました」
この「近藤証言」がオンエアされる7カ月前、大谷と「燃えプロ」の相関はすでにささやかれ始めていた。侍ジャパンがWBC強化試合として阪神と対戦した今年3月6日のこと。「3番・DH」で出場した大谷の第2打席。外角低めに決まりかけたフォークボールを、泳がせられながらも左膝をついて右手一本でバックスクリーンにたたき込んだ。「バントホームランを彷彿とさせる」と、ファン界隈は色めいた。
スポーツ報知によると、打たれた阪神・才木浩人はこの「片手片膝弾」のハイライトが繰り返し放送されて次のように苦笑したという。「テレビ壊してやろうかと思いました」。まさに、バントホームランというバグを食らったプレーヤーの心境だ。
チート級の衝撃で沸かす大谷。満票MVPこそ、ふさわしい。
(文:笹川賢一)
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