■「子供たちの笑顔を見られるのが幸せ」
実は真美子さんもハワイに縁があると明かすのは、彼女の実業団時代の知人だ。
「彼女が所属した富士通は1972年にハワイに非営利の教育研究法人『JAIMS』を設立しました。日米の架け橋となる人材の育成を目的としており、東洋と西洋の文化が融合するハワイを拠点として選んだそうです。
同社は子供たちへの教育に熱心で、スポーツ支援も積極的です。女子バスケットボール部『レッドウェーブ』は、川崎市内の小学生を対象に体育の授業で実技指導を行う『ふれあいスポーツ教室』を定期的に開催しています。もちろん真美子さんも実業団時代には何度も参加して、地域の子供たちと触れ合い、“子供たちの笑顔を見られるのが最高に幸せ”と話していましたね。
そういえば、彼女のコートネーム(試合での呼び名)は“マナ”でした。ハワイでは“マナ”は“他人も自分も幸せにするスピリチュアルなエネルギー”を指す言葉です。彼女のお兄さんもハワイ通だと聞いたことがあります」
前出の在米ジャーナリストはこう語る。
「大谷夫妻は別荘が完成する来年から、オフシーズンはハワイに滞在することになるでしょう。水原一平被告の銀行詐欺事件で、大谷選手は被害者でありながら、米国中を騒がせたことへ申し訳ない思いも感じているそうです。
そこで“第3の故郷”となる地で、困窮する子供たち、病気の子供たちを一人でも多く救えればと、新たな病院や学校設立の支援活動を進めていく考えだといいます」
冒頭の始球式の試合後、大谷は“舞台裏”を明かしていた。
「球団からは『奥さんはどうですか?』って言われていたんです。けれど、本人(真美子さん)と話して『光栄なことですけど、野球好きな子供たちや、あまり見に来られない闘病中の子供たちのほうがよいのでは?』ということで、(彼女の不参加を)決めました」
心臓病と闘いながら、野球を頑張る少年を応援したい――。真美子さんの“世界一の財団理事長”への道は、すでに始まっていた。