■史上最悪のLA強盗団にはセキュリティの専門家も関与か
実は今年3月、LA史上最悪の強盗事件が発生していた――。
「3月31日、LAのダウンタウンから30キロ北のシルマー地区にあるセキュリティ会社の現金保管施設から、現金3千万ドル(約45億円)が盗まれたのです。イースターの日曜日を狙った犯行で、ロサンゼルス・タイムズ紙によると、強盗団はこの施設の屋根を壊して侵入。防犯アラームを鳴らすことなく現金を盗んだといいます。
通常なら二重、三重におよぶ警報システムや、不審な動きを監視する振動センサーなどが備わっているのですが、施設の従業員も月曜に出社するまで、被害に誰も気付かなかったそうです。事件後、地元テレビ局が伝えた空撮映像には、強盗団が脱出時に開けたと思われる施設の側面の壁の穴がベニヤ板で塞がれていることが確認できました。
FBIとロサンゼルス市警が合同捜査をしていますが、現在も犯人は捕まっていません。 現地ではプロの強盗団の仕業とみられ、悪質なハッカーのほか、セキュリティの専門家も関与しているのではといわれています」(前出・在米ジャーナリスト)
LA史上、最悪の被害額となったこの強盗事件が発生したのは、大谷が住む「ラ・カニャーダ・フリントリッジ」から車で約30分弱の場所だった。前出の在米ジャーナリストは言う。
「その“最凶”強盗団に加え、有名人やスポーツ選手を専門に狙う犯罪グループも存在します。 一般的にLAの富裕層は防犯費用に平均年間5万ドル(約750万円)をかけているそうです。ドアロック、防犯カメラ、侵入者を感知する体温センサーという“三重セキュリティ”が定番です。新居の防犯については、球団や大谷選手のエージェントが真美子さんの相談に乗っていると聞いています」
“三重セキュリティ”のほかには、どんな具体的な防犯対策があるのだろうか。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2024』の著者でスポーツライターの友成那智さんはこう語る。
「私も『ラ・カニャーダ・フリントリッジ』を以前、訪れたことがあります。もともとLAでは治安のいいエリアですが、どの豪邸にも、警備員が常駐していました。さらに大谷夫妻が防犯フェンスを設置する可能性はあると思います。 たとえばメジャー選手のレジェンド、デレク・ジーター氏の自宅は窃盗犯やパパラッチにも狙われない、大きい壁に囲まれた要塞のような造りになっています」
地域との連携も大事だという。
「先月、ロサンゼルス市は『大谷の日』を制定しました。そのため市や警察とは緊密な連絡をとりやすくなっているとは思います」(前出・在米ジャーナリスト)
在ロサンゼルス総領事館が’22年6月、在留邦人向けに改定した「安全の手引き」内の《住居の防犯対策》には、「ドア・窓の確実な施錠」「緊急連絡先リストの整備」に続き、このような一節がある。
《良好な近所付き合い 隣人に出会った時は努めて挨拶するなど親しくしておき、相互の信頼関係を普段から築いておくことが大切です》
前出の在米ジャーナリストはこう語る。
「隣人付き合いは防犯の原点です。本来、真美子さんのコミュニケーション力が最大限発揮できるはずでした。それにもかかわらず、豪邸の現地取材により、近隣との信頼関係が損なわれてしまうことを大谷夫妻はもっとも危惧していたのでしょう」
“最凶”強盗団が一日も早く逮捕されることを願うばかりだ。