■待機中の昼寝でスーツにシワが…
そんな2人はいまや、ここ一番の“盛装”を藤井さんに託すようになったという。なぜ大谷夫妻は、彼女に全幅の信頼を置くようになったのか。藤井さんを知るスタイリストは次のように語る。
「藤井さんは、大谷さんのお母さんの加代子さんと同世代。明るくて優しい雰囲気も似ているので、そういった点でも安心感を抱けたのではないでしょうか。
彼女のスタイリングは、業界でも“上品かつ気高い”と評価されています。自分のイメージを押し付けることはなく、クライアントが望むイメージをしっかり把握したうえで仕上げていきますから、“また藤井さんに”というクライアントが多いのです」
実は藤井さんや大谷夫妻、さらに大女優たちには“愛犬家”という共通点もあるという。石田ゆり子は’20年、自身のインスタグラムへブルドッグを抱きしめる写真とともに、こんなメッセージを投稿していた。
《スタイリスト藤井享子さんのおうちの可愛いオムツ王子…二ヶ月ほど前に衣装合わせで伺ったときにたくさん遊んでもらいました。可愛かったなぁ。また遊んでね》
前出の広告代理店関係者によれば、
「藤井さんが渡米する際には、同じくスタイリストとして活躍しているお嬢さんも同行することが多いようです。大谷夫妻の愛犬・デコピンは、お嬢さんのことも大好きで、いつも遊び相手になってもらっているそうです。大谷選手のスーツの裏地にはデコピンがプリントされていましたが、大谷夫妻と藤井さん母娘の関係性から生まれたアイデアなのでしょう」
かつてはセレクトした服を日本から送っていた藤井さんだが、ある出来事をきっかけに、頻繁に渡米するようになったという。
「5月に行われたチャリティイベント『ブルーダイヤモンド・ガラ』に登場したとき、大谷選手は用意されていたスーツとは別のものを着てしまったのです。
さらに待機中に車の中で寝てしまったため、シワもできてしまいました。そのため《大谷の服のサイズはこれで合ってるの?》《大谷さんスーツだぼだぼすぎて相撲部屋の親方みたいになってる》など、違和感を訴える声が続出したのです。それ以来、彼女は“現地で見守らなければ”と考えるようになったのだとか」(前出・広告代理店関係者)
アメリカから帰国したばかりの藤井さんに電話で取材を申し込むと――。
「ご本人が現地の会場で『BOSS』にスーツを作ってもらったとおっしゃっていると思いますが、私からは、それ以上は申し上げられません。お仕事のお付き合いは7年ほどになりますが、これ以上はお話しできないのです」
取材はNGだったが、その声はあくまで柔らかかった。カリスマスタイリストの支えにより、大谷夫妻が世界のファッションリーダーになる日は近いかもしれない。