■“大谷の宿敵”がデコピンのファンに
『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2024』の著者でスポーツライターの友成那智さんも言う。
「デコピンは米国の『Wikipedia』にも掲載されているんです。日本人の飼っている犬では忠犬ハチ公の『ハチ』などに並ぶ異例の掲載だとか。《ロサンゼルス・ドジャースや大谷翔平の広報活動に参加しており、ファンの間では定番の存在として親しまれ、チームの“最も価値のあるペット”と評されている》と紹介されています」
ドジャースの選手には愛犬家が多いと友成さんは続ける。
「昨春のスプリングトレーニングで、移籍直後で緊張する山本選手へ日本語で積極的にコミュニケーションを図っていたのが体重120キロを誇る強面の救援右腕ブラスダー・グラテロル選手。彼は同じく強面のブルドッグ『ズーカ』を飼っています。
そのほかにも、佐々木選手へ背番号11を譲ったミゲル・ロハス選手は愛犬『アテナス』、アレックス・ベシア選手は2匹のダックスフント『ルーファス』と『ロケット』、ランドン・ナック選手は愛犬『オリ』を飼っています」
大谷と仲のよい“キケ”ことエンリケ・ヘルナンデスにはトイプードルの『アリゾナ』、ダスティン・メイはダックスフント、ウィル・スミスも大型犬の飼い主だ。
「また昨季は大谷選手を13打数1安打に抑えた“大谷キラー”で、パドレスから今季FAでドジャース入りしたタナー・スコット選手も愛犬家の一人なんです」(前出・友成さん)
同僚となったスコットは自ら積極的に大谷に近づいているという。前出の在米ジャーナリストは言う。
「スコット選手は、よく大谷選手に、愛犬・オーティスのしつけ方を聞いているそうです。というのも、昨年8月に行われたデコピンの始球式に彼が感銘を受けて『どうやってトレーニングするの?』と頻繁に大谷選手に問いかけているといいます。自分の愛犬もいつか、始球式に登場させたいのかもしれませんね。一刻も早く、デコピンといっしょに遊んでもらいたがっているようです」
早くもデコピン軍団に“弟子入り”志願犬が――。
「またベシア選手も“愛犬たちが俺より妻になついていて……”と大谷選手に悩みを相談しているとか。大谷選手&デコピンの一挙手一投足に愛犬家の選手たちは熱い視線を注いでいますよ」(前出・在米ジャーナリスト)
来月から開幕を迎え、完全に野球モードに入る大谷。そして真美子さんは妊娠中。そんなこともあり、大谷はデコピンを意識的にほかの犬と遊ばせているのかもしれない。
「スタディ・ドッグ・スクール」代表で学術博士の鹿野正顕先生はこう語る。
「デコピンは犬種的に大きいので、今後赤ちゃんが生まれても抱っこへの嫉妬などは激しくないと思います。ただ、飼い主がかまう時間が減ってしまうと、寂しくなる『分離不安』が起きやすく、問題行動が生じることもあります。ですからキャンプ地に連れていって、ほかの犬と遊ばせるのは、飼い主と過ごす時間が増えるという意味でも素晴らしいことだと思います」
前出の友成さんは言う。
「昨年6月、ドジャースは愛犬を球場に連れてくることができるイベントを主催し、試合前に約700匹の犬がドジャー・スタジアムのフィールドを歩き回りました。飼い主は球場散歩後も愛犬と野球観戦を楽しむことができるんです。今年の6月も本拠地で、デコピンを中心とした一大愛犬家イベントが開催されることでしょう」
“デコピン軍団”はさらに拡大していきそうだ。
