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(写真・神奈川新聞社)

 

米国の退役軍人らでつくる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース」(VFP)のメンバーが21日、横浜市中区の波止場会館で、講演会を開いた。沖縄・米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設などの基地問題にも話題はおよび、「戦争は戦争では止められない。平和は平和的方法によってしか築けない」と訴えた。

 

マイクを握ったのは元米軍海兵隊員で、2003年12月にイラク・バクダットに派兵されたマイケル・ヘインズさん(40)。「アメリカはなぜ戦争するのか、そのメンタリティと社会構造。それを解決するためには」と題して講演した。

 

VFPは、ベトナム戦争や湾岸戦争などに従軍した退役軍人らが1985年に設立した平和・人権団体で世界的に活動を展開。ヘインズさんらメンバーは2005年に名護市辺野古での新基地建設を止めるための抗議行動に参加したり、今夏には沖縄県東村高江地区で強行されている米軍の訓練場建設に反対するために座り込みなども行った。

 

ヘインズさんは「米国民の大半は沖縄にこんなにもたくさんの米軍基地があることを知らない。もっと知ってもらいたいし、なぜ基地があるのか、考えてみてもらいたい」と話した。

 

さらに自身のイラクでの経験も明かした。「毎日1~4回、一般家庭などへ襲撃を繰り返した。『大量破壊兵器を止めろ、テロリズムと戦え』と命じられ、国のためにとやった。だが襲撃の根拠となった情報の6割はうそだった。襲撃の際の子どもたちの叫び声がいまでも脳裏から離れない」と戦争の恐ろしさを語った。退役後にふさぎ込んだが、「10年かかって少しずつ外へ出て話せるようになった。そして何か語らなければならないと思うようになった」と、活動理由を口にした。

 

講演会は市民団体「ストップ秘密保護法かながわ」の主催。VFPメンバーは27日にも横須賀市の産業交流プラザで午後1時に集会した後、米海軍横須賀基地近くにあるヴェルニー公園で行われるアピール行動に参加する。

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