(写真・神奈川新聞社)
総合レジャー施設運営の横浜八景島(横浜市金沢区)は28日、水族館事業で台湾に進出する、と発表した。日本企業が台湾で直営の水族館を展開するのは初。進出先は、台湾最大の国際空港などが立地する桃園市内の「高速鉄路桃園駅特定区産業専用区」と呼ばれる大規模開発エリア。年間来場600万~700万人を見込む同エリアの中核的な誘客施設の一つとして、次世代型水族館の実現を目指す。2020年1月の開業予定。
横浜八景島が台湾で開業を予定しているのは「桃園水族館」(仮称)。地上3階、地下2階建てで、延べ床面積が約1万4800平方メートル。多種多様な生物の生態展示と最先端技術、エンターテインメントなどを融合した次世代型水族館を構想し、「台湾や世界の自然環境や生物多様性を再現する」「台湾と日本の友好の懸け橋となる」といったコンセプトを掲げる。
進出エリアは、台湾最大の保険会社・国泰人寿保険が開発を主導する。全体の敷地規模は21万8,800平方メートルに上り、国際級のアウトレットモールをはじめ、ホテルやビジネスオフィスなどの開発を進める。
横浜八景島の新施設は、日本の新幹線に当たる台湾高速鉄路の桃園駅前に建設される計画で、17年春に着工する見通し。初年度の目標入館者数は160万人。
今回の進出は、横浜八景島が傘下に入る西武ホールディングス(HD)が台湾を重要進出地域とみていることも背景の一つにある。同HD傘下のプリンスホテルが台湾でホテル事業を展開するなどしており、横浜八景島の新施設は台湾でのプリンスホテルの既存の営業拠点と今後、誘客などの連係を図る方針だ。
横浜八景島の担当者は「日本で培った水族館運営のノウハウを海外で活用できる絶好の機会であり、事業拡大の好機」などと説明した。