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(写真・神奈川新聞社)

 

地元の相模川をはじめ、国内外の砂約200種類を集めた企画展が相模原市中央区の相模原市立博物館で開かれている。普段は目にすることが難しいサハラ砂漠や、宝石がちりばめられたような南極の砂も展示。色や粒の大きさなどさまざまな砂を比較することで、地球環境の多様性を理解することができる。観覧無料。7月2日まで。

 

展示は「相模川の砂」「日本各地の砂・海外の砂」「神奈川の砂」「砂の中の小さな生き物」「砂岩」の5コーナー。相模川は山中湖近くの桂川から寒川町まで地質担当の河尻清和学芸員がほぼ1人で10年かけて集めた47地点の砂を紹介。巨大な地図に採集場所の写真を添え、実物に触れることができる。「川砂は、洪水でたまることもあれば、流されてしまうこともあり、日々変化する」と河尻学芸員は説明する。

 

また、日本と世界の砂は約100点をガラスケースの中で展示している。職員やボランティアが旅行先で採集して集まった結果、展示が可能になったという。青森県・宇曽利山湖の砂は、火山ガスに含まれる硫黄成分に染まった黄色と、普通の白色の2種類。沖縄・石垣島の砂にはサンゴ礁など生物の破片が含まれ、地域性や環境の違いが理解できる。

 

また海外に目を移すと、サハラ砂漠(セネガル)の砂は表面に鉄分が付いた結果、オレンジ色に。氷に覆われている南極の砂は1月の誕生石でもある「ガーネット」という鉱物が含まれ、まるで宝石のよう。

 

三浦半島では、同じ地域の隣り合った砂浜でも、砂の色が異なることを紹介し、砂浜は海流や地形の影響を受けていることを解説している。このほか、相模原市立内出中学校の生徒たちが約10年前に相模湾沿岸の11地点の砂を2カ月ごとに採取した研究結果も展示されている。

 

河尻学芸員は「砂を比較することで、環境の違いが分かる。地球環境まで興味を持つ機会になればうれしい」と話している。

 

25日午後2時から、展示解説も予定されている。

 

期間中は午前9時半から午後5時まで。毎週月曜日と27、28日は休館。

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