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(写真・神奈川新聞社)

 

横浜市保土ケ谷区西谷町産の赤ジソで作ったお茶が完成し、今夏から本格販売される。日本の薬草をもとにした伝統茶ブランドを展開するtabel(同市中区)と、西谷で代々農業を営む苅部博之さん(47)のコラボレーション。無農薬で栽培した在来種の赤ジソを使用する。梅干しやジュースを作る以外あまり用途のない赤ジソだが、新たな切り口として提案。横浜の特産品に育てたい考えだ。

 

同社の新田理恵代表(33)は「食と健康」がライフワーク。高校生の頃、父が糖尿病を発症、食べる物を制限しているのを見ていたのがきっかけだった。その後、管理栄養士となったが、「人の食生活を変えるのは大変」と実感した。

 

手軽に取り入れられる物として着目したのが薬草。調べると日本には300種類以上あり、お茶として飲んでみるとおいしいものもあった。「知られていないのはもったいない」。薬草を採る人、食べる人、飲む人…。いずれも高齢者である現状を知り、薬草のある暮らしを次世代へ継承したいと、伝統茶ブランド「tabel(たべる)」を立ち上げた。

 

これまでに、熊本県八代市産のハスの葉で作ったお茶などを商品化。自身が暮らす横浜産の伝統茶を開発したいと思っていた折に、苅部さんと出会った。

 

オリジナルのダイコンやネギの開発などで知られる苅部さん。赤ジソに関しては、約30年前から自家採種を繰り返し栽培を続けている。昨年はtabel向けに無農薬で栽培。夏に収穫後、市内の業者が焙煎(ばいせん)した試作品の赤ジソ茶は「香りが高い」「おいしい」と好評で、新田さんは今夏からの本格販売に踏み切った。主なターゲットは、28~45歳の女性という。

 

「体を温めるので風邪のひき始めに良い。おかゆにして食べたり、シナモンを入れて飲んだりするのもお勧め」と新田さん。苅部さんは「赤ジソでお茶を作るというのは、今までなかった視点。『チーム横浜』で連携し、発信していきたい。今後の展開も楽しみだ」と話している。

 

15グラム950円。問い合わせは、同社・電話045(550)4981。

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