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(写真・琉球新報社)

県内の9大学・短大などで「経済的事由」から休学した学生が2015年度だけで230人、退学者は41人に上ったことが琉球新報社が実施したアンケートで明らかになった。

 

「奨学金が家族の生活費に回り、授業料を払えなくなった学生も複数いる」「休学して出稼ぎに行く学生もいる」と話す大学担当者もおり、経済的理由により修学がままならない学生が相当数いる実態が浮き彫りになった。

 

回答に協力したのは、琉球大、沖縄国際大、沖縄大、名桜大、沖縄キリスト教学院大、同短大、県立芸大、県立看護大、沖縄女子短大。

 

高等教育機関の学長・校長が8月末、県に対し、県内学生へ給付型奨学金を創設するよう要請したことを受け、アンケートを実施。15年度の休学者や退学者数、貸与型の奨学金の利用状況、学内奨学金の有無など9項目を尋ね、24日までに回答を得た。

 

9大学・短大の15年度の学生総数は1万9342人。日本学生支援機構などの貸与型の奨学金は、全学生の44・8%に当たる8677人が利用していた。このうち、7大学・短大は利用者の割合が5割を超えており、中には7割近くに及ぶ大学も2大学あった。

 

また、貸与型奨学金の利用者数を10年度と15年度で比較すると、回答した6大学・短大全てで増加している。6大学・短大合計で10年度は5474人、15年度は6438人で、964人の伸びを示した。奨学金を利用する学生が、徐々に増えている傾向があった。

 

授業料未納が続いて大学担当者と連絡が途絶え、最終的に「手続き不履行」で除籍となった学生も、回答のそろった7大学・短大で110人いた。(新垣梨沙)

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