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(写真・琉球新報社)

 

1987年から沖縄での修学旅行を始め「沖縄修学旅行の草分け」ともいわれる学校法人和光小学校(東京都、北山ひと美校長)の修学旅行が30回目を迎えた。10月29日~11月1日、和光小6年生55人が沖縄を訪れ、沖縄戦や基地、自然について学び感じたほか、アメラジアンスクール・イン・オキナワとの交流を通して沖縄への認識を深めた。同校は「沖縄を見ることは日本を見ることにつながる。それはこれからを生きる子どもたちの大きな力になる」と意義を話している。

 

和光小は子どもの自主性を尊重し、学習意欲を引き出すことに主眼を置いて独自のカリキュラムを導入。教科の枠を超えて1年かけて総合的に沖縄を学ぶ。その集大成といえるのが沖縄修学旅行だ。97年からは兄弟校の和光鶴川小も沖縄修学旅行を実施している。

 

今年の修学旅行も子どもたちは、住宅街の真ん中にある普天間基地の異常さを肌で感じ、名護市辺野古では新基地建設に反対する市民の話に耳を傾けた。

 

座間味島では平田文雄さん(86)、文子さん(84)の証言を聞いた。文子さんは「集団自決」(強制集団死)の惨状を語り、文雄さんは「戦争が怖いのは人の心を壊すこと」と伝えた。 最終日。児童たちは「体験者は一生苦しみを背負ってきた。戦争は怖い」「戦争のない国をつくることは一生の宿題だと思った」と沖縄で感じたことを「平和宣言」としてまとめた。

 

6年生の担任、斉藤かいと教諭(31)は和光小卒業生。「戦争はしちゃいけないとどんなときでも胸を張って言えるのは6年生の時に沖縄で学んだこと。子どもたちには沖縄で物事の学び方を学んでほしい」と願う。

 

北山校長は「沖縄の人たちがいたからこそ、続けてこられた。これからを生きる子どもたちのためにも今後も続けていきたい」と話した。(玉城江梨子)

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