(写真・琉球新報社)
本年度約1億8千万円の予算を計上している県警の車両の燃料費が、年明け1月にも底を突く見通しとなっていることが分かった。米軍北部訓練場のヘリパッド建設問題で県外から機動隊が投入された今年7月以降、執行額が急増したことが主な要因で、県警は年度内に約3700万円が不足すると試算。県外機動隊の活動にも県費が使われることで予算が逼迫(ひっぱく)しており、他の警察活動にもしわ寄せが及ぶ恐れが出ている。
ヘリパッド建設は年内にも工事が完了する見込み。県警の試算では、県外からの機動隊の警備活動が年内に終了しても、来年1月には当初予算の燃料費1億8千万円を全て使い切る見通しだ。
一方、年度内とされる名護市辺野古の新基地建設を巡る違法確認訴訟の最高裁判決の時期も迫っており、辺野古の工事が再開された場合、県外の機動隊が再度投入され、反対運動の排除に当たる可能性もある。警備態勢が強化され、さらに執行額が増加することも予想される。
県警が現段階で見積もっている年度内に必要な燃料費は約2億2600万円。不足分約4400万円のうち、既に県警の船舶やヘリなどの燃料費から約700万円を穴埋めした。残り約3700万円は別の費目からの流用を検討している。
県警は取材に対し「今後の流用の財源は検討中だが、他の警察活動への影響はない」と回答している。
県外機動隊の活動経費が県予算から支出されていることを巡っては、現在住民監査請求も提起されている。監査委員の協議を経て、16日までに監査結果が公表される。(当山幸都、沖田有吾)
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