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(写真・琉球新報社)

 

【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は6日午前8時40分ごろ、海上の本体工事に着手した。5日に名護市大浦湾の臨時制限区域に到着した作業用の船団のうち、台船2隻から汚濁防止膜を固定するための大型コンクリートブロックなどをクレーン船2隻に移し替える作業が行われた。早ければ7日にも同区域内に最大13・9トンの大型ブロックを投下し、汚濁防止膜の設置作業が本格化する。県は防衛局が実際に投下した場合は法的な対抗措置を検討する方針。県民の民意を無視した形で本体工事が強行されることに、県民の反発はさらに強まりそうだ。

 

防衛省関係者によると、汚濁防止膜の設置には2~3カ月を要する見通し。設置が終わり次第、浅場にある「K9護岸」「A護岸」と呼ばれる場所から護岸工事に着手する計画で、これが実質的な埋め立て工事の始まりとなる。

 

一方、県は6日、沖縄防衛局が汚濁防止膜を設置する計画を県に協議せず変更したことに抗議し、説明を求める文書を同局に手交した。文書でブロック投下を中止するよう求めた。

 

県幹部はブロックが投下されていないため「海上の本体工事はまだ始まっていない」との認識を示した。

 

6日は台船2隻から、クレーン船2隻に、ブロックをそれぞれ14個ずつと汚濁防止膜を設置するためのものとみられるフロート(浮具)などを移し替えた。大型特殊船「ポセイドン1」(4015トン)が昨年未完了だった1カ所の海底ボーリング(掘削)調査を始めるとみられるが、この日は掘削調査をしている様子は確認されなかった。

 

新基地建設に反対する市民らは抗議船6隻、カヌー16艇で臨時制限区域を示す海上フェンスの外側で抗議行動した。

 

米軍キャンプ・シュワブゲート前では6日午前11時55分ごろ、砂利を積んだトラックなど工事関係車両12台が基地内に入った。砂利を積んだ作業車が入るのは最高裁判決後、作業が再開されて初めて。新基地建設に反対する市民ら120人が阻止行動を始めたが、県警の機動隊が市民らを排除した。海上での本体工事着工を受け、ゲート前も資材搬入が本格化しそうだ。

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