在校生や家族たちから花束を受け取り、笑顔の卒業生ら=11日、沖縄県那覇市樋川の珊瑚舎スコーレ
戦中・戦後の混乱や貧困などで義務教育を受けられなかった人たちが学ぶ沖縄県那覇市の珊瑚舎スコーレで「卒業を祝う会」が11日、開かれ、夜間中学校に通った60代から80代の卒業生6人が職員や在校生、家族に見守られながら学びやを巣立った。卒業生の最年長は83歳の嘉数チヨさんだった。
祝う会では、卒業生一人一人が壇上であいさつした。宮平敬子さん(71)は家が貧しく栄養失調になり、学校に通うこともままならなかった。3年前、孫に勧められて珊瑚舎スコーレに通うことを決めた。「みんなに支えられ、卒業できた」と振り返った。
砂川明俊さん(78)=糸満市=は宮古島で生まれたが、7歳で貧しさのため「糸満売り」され、20歳まで石垣島で漁業にあたっていたという。学校に通えず、勉強の機会がなかった砂川さんにとって学校に通うのは「夢だった」。珊瑚舎スコーレに一日も休まず通い、夢をかなえた。
県教育庁は珊瑚舎スコーレに対する支援事業を17年度で終了することを決定している。しかし、星野人史代表は、今後も個人や企業からの寄付で学校を継続するとしている。
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