オリビア・ニュートン・ジョン コンサートレポート@JCBホール
4 年ぶりのコンサートで来日公演中のオリビア・ニュートン・ジョン。先月 28日、JCBホールで行われたコンサートの様子を、ヒュー・佐藤レポーターが届けてくれました!
先日のインタビューでお会いしたとき、「いつ観に来てくれるの?」と気に掛けてくれたオリビア・ニュートン・ジョン。行ってきました、 11月28日、東京・JCBホール。
17時開演なのに、会場入りする頃はもう真っ暗。東京ドームCITYはクリスマスの電飾でライトアップされ、とってもロマンチックだった。
会場に入ると、若いころすごいファンだったんだろうなぁ~とすぐわかる中高年の男女で埋めつくされていた。追加公演も超満員なのだ!
そして、17時ピッタリに、コンサートがスタート。大物スターにしては時間厳守なんてめずらしい。
会場が暗転し、オリビアのヒット曲のインスト版メドレーを流しながら、過去のジャケット写真や映像を大スクリーンに次々映し出すオープニング。歴代大統領と一緒のツーショット写真があったり、大物感がビンビン伝わってくる。
そして、姿は見えないのにどこからかオリビアの天使の歌声が!ビックリだったのは、澄んだ高音がまったく昔と変わっていなかったこと。そしてついにオリビア本人が登場。黒のタンクトップに黒のミリタリー・ジャケット、黒のスパッツに黒のロングブーツと黒づくめながらも、要所にラメやシルバーの腰ベルトなどアクセサリーがキラキラ。スタイルまで昔と変わっていないとは、恐れ入りました!
1曲目は名曲『そよ風の誘惑』だ。生の声には、張りも艶もある。ちょっとロングトーンが昔みたいにはいかないで、無理かなーと勝手に心配しながら見守っていると、これは珍しい、オリビアって、段々歌っていくうちに喉が開いて、声の調子が良くなっていくタイプ。アップテンポの『愛は魔術師』からバラード『サム』へと続いていくうち、完全にオリビアの衰えない実力が垣間見えた。どんな訓練を日々しているんだろう。
3曲目が終わり、日本語で「乾杯」とお茶で喉を潤していたが、やっぱりインタビューのときに言っていた通り、旦那さんの会社が作るカムカムの実入りのハーブティーの効果は絶大のようだ。
そして、ELOとの奇跡のコラボ曲『ザナドゥ』で、会場は早くも最高潮の盛り上がり。無邪気にペンライトでザナドゥの頭文字“X”を作ってオリビアにアピールする熱狂的ファンの姿も見られた。
そしてコンサートは怒涛のカントリーコーナーへ。ボブ・ディランの名曲『イフ・ノット・フォー・ユー』からはじまり、『レット・ミー・ビー・ゼア』、オリビアが好きだと言っていた『プリーズ・Mr・プリーズ』。そして名曲『ジョリーン』では、ラストの部分、通常は超高音になるハイトーンを、さらに高くして披露。実力を見せつけた。
ボサノヴァ調のギターで『フィジカル』がはじまり歌いはじめたオリビアだが、ちょっと待って、とサビに入るのを止め、
「みんな、このアレンジでいいの? オリジナルを聞きたくない? 一緒に歌いましょうよ」と、ダンサブルなロックバージョンに突然変えて、もう一度はじまった『フィジカル』に、観客は総立ち。前の席のおじさんが、変な腰づかいで一緒に踊っていた(笑)。
先月のインタビューで「見せ場はまだ決めていないわ」と話していたオリビアだったけど、ちゃんと考えてきてくれていた。
そこからロックメドレーに突入。ドルフィンソングなど、自然啓蒙活動家としての映像も披露しながら、映画『セカンド・チャンス』からの『運命のいたずら』で、またもや会場の雰囲気は大盛り上がり。続けざまの高音ロングトーンに、まったく声が枯れないのはさすがだ!
ラストは、真骨頂、映画『グリース』からのナンバー。映画さながらの革ジャンを身にまとうと、ジョン・トラボルタとのデュオ・チューン『愛のデュエット』や『想い出のサマー・ナイツ』を披露。極めつけにバラード『愛すれど悲し』を歌ってくれた。最後はもちろん『愛の告白』だ。
2時間歌いっぱなしのオリビアに、観客も大満足。17年前に乳がんを発見、胸部を取り除く手術を受けているオリビアは、乳癌を克服したことにもサラリと触れ、「あきらめちゃダメよ!」とにこやかに語りかけた。パワフルに、踊り跳ねながら休憩なしで全力を出しきったオリビア。アンコール2曲をふくめ、「行って本当に良かった!!」と誰をも納得させてくれたコンサートだった。