2009822日「X JAPAN FILM GIG~鈴鹿の夜~」

YOSHIKI&TOSHIトークライブ

「こんばんわーYOSHIKIです」

ファンはみんな泣いている。YOSHIKIは、「来ちゃいました」とファンに笑顔で手を振る。 

「ロスから来る俺も俺だけど、みんなもみんなだよね~」と、YOSHIKIはファンに向い話し始めた。

「その・・・首の手術をしたんだけど」

そこまで言うと、YOSHIKIの声が詰まった。YOSHIKIの沈黙。涙ぐんでいるかのようだ。

静寂が会場に流れる。 

「一人で喋れないやー。TOSHIも来てるんでしょ」

と、TOSHIをステージに招く。 

「ロボットみたいでしょ?おれ。そうですね・・・手術前、みんなのメッセージ、心強かったです。といっても手術はちっとも怖くなかったんだけどね。実は手術の翌日からリハビリを始めていました。変なんだけど歩く練習からです。最初は10メートル歩いてください。昨日までに歩けてたのにって思うでしょ?すると歩けないんだよね・・・・。次は階段の上り下りをしてくださいって。今、毎日リハビリをしています。ロスから来たのは無謀なことではないので。身体を動かしたほうがリハビリにいいんだって!なので、みんなに会いに来ちゃいました。トシにも会いたかったし」 

それを受けてTOSHIも優しく笑顔で、

「僕も会いたかったよ。メールしてね。ロスから来るのやめればっていったんだけど。『どうしても会いにいく!』(YOSHIKIの物まねで)って」 

YOSHIKI 「そんな声してた? 声高いんです(笑)」と。YOSHIKIの緊張もほぐれたようだ。

「あっ俺、元々X始めたとき、小学校のとき、ボーカルだったんです」 

TOSHI 「え?今そんな話(笑)。ボーカルで声高すぎて。KISSのハードロックウーマンみたいに、ドラム叩いて歌歌ってたんだよね。マイクが無かったので、天体望遠鏡で。そう、YOSHIKIは天体望遠鏡持ってたんだぜー!呉服屋の御曹司だから  

YOSHIKI 「(頷いて)顕微鏡も持ってましたけど(笑)」 

TOSHI 「天体望遠鏡にマイク代わりに・・・音痴なんだよなー」 

YOSHIKI 「そんな音痴じゃないよー。TOSHIが歌うたったらうまかったんだよね」 

TOSHI 「今日はヘリコプター大丈夫だった?」 

YOSHIKI 「全然、揺れなかった。覚悟してたんだけど」 

ファン「カッコイイ!」 

YOSHIKI 「ただ、まだしびれていて電気が流れているみたいで。触ったら感電しちゃいそう」 

TOSHI「今日こういう状態で、YOSHIKIが『TOSHIも来てよ』って(物まねして)」 

YOSHIKI 「ドラムで裏方になりたい」

TOSHI 「よく来てくれました。満身創痍でみなのために(彼は)来ました。俺たちいろんなトラブルがあって、そのたびに乗り越えてきました。そしえ今回は最大のハードルが来たね。二人でも、メンバーとも、みんなともその危機を乗り越えてきたんだけど、これからも宜しく頼むぜー」 

そしてYOSHIKIは意を決したようにある発表をおこなった。

YOSHIKI 「で・・・ね・・・本当は大阪(ドーム公演)が決まってたんだよね。でもやらなくなってしまって・・・。おれたち有言実行しなきゃ。やるって言ってやらないこと多いじゃない」 

TOSHI 「五分五分じゃない」 

YOSHIKI 「コルセットも首に巻いているし、こんな状態なので、フランス公演も延期になりました」 

TOSHI 「身体を完璧にしてくれと、そしてカッコいいライブやろう! 世界ツアー中なので完璧な状態で」 

YOSHIKI 「突っ込んでいい? 普通、ツアーって何ヶ月かで終わるじゃん? 俺たち何年やるつもり? 20年ぐらい?(笑)」 

TOSHI 「20年やってるぜー」 

YOSHIKI 「身体幾つあてもたりない・・・大阪(ドーム)、交渉中と言ってたけど、実は決まってたんだよね。 すごい!!って言って飛ばすなよ(苦笑)」 

TOSHI 「でもここまで辿りついてよかったです」

YOSHIKI 「みんな、我慢強くてありがとう・・・・・。今、頭の中でお辞儀してた。首まげられないので。でもけっして活動してなかったわけじゃなく、入院直前までレコーディングして新曲できて。TOSHIが日本にいて。俺がロスで電話で話しながら、レコーディングを丸一日やりすぎて」 

TOSHI 「国際電話代すごいことになってて(笑)」 

YOSHIKI 「スタジオ代も。今、笑えないよ(首動かせないので)(笑)。(首動かして)振りむいちゃいけないから、ロボットみたいでしょ?レコーディングもやってす
ごいカッコいい曲作ったから、一日も早くアルバムとコンサートできるようリハビリを一生懸命やりますので。夢を与えるバンドになりたいです。みんなありが
とう。
TOSHIもありがとう」

TOSHI 「ありがとう」 

そう言うと、YOSHIKIはまたゆっくりと一歩一歩歩みながらオープンカーに乗りこみサーキットを後にした。

ファンからは「来てくれてありがとー」という歓声と拍手の中、花火が夜空に舞い上がり、X JAPANの鈴鹿の真夏の夜を締めくくった。

    また次回、WEBでもこの続きを更新します。お楽しみに!!

(撮影:高田崇平)

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