米国の大手百貨店J.C.Penneyの広告写真が今物議を醸している。写っている「ヤカン」が右手を挙げたアドルフ・ヒトラーにそっくりだと一部で大騒ぎされているのだ。
渦中のヤカンは著名な建築家マイケル・グレイヴスがJ.C,Penneyのためにオリジナルでデザインしたもの。つややかなステンレス製で注ぎ口にあしらわれたベル形の笛が沸騰を知らせる。底の部分が広がっていることで熱伝導率が高まり、実用性にも長けている上に、本体と笛の形が相似形にも見え、芸術品のような美しさがある。J.C.Penneyも一押しの商品として、米国でも最も交通量の多い道路のひとつである州間高速道路405号線沿いの巨大広告に採用した。値段は控えめの40ドル(約4,000円)。
そんな罪のないヤカンの運命が変わったのは、ブックマークサイト「reddit」でのこんなコメントだった。
「このヤカン、ヒトラーに似てない?」
取っ手が髪の毛に、蓋のつまみがヒゲに見えなくもない。そこからコメントに火がつき、
「右腕を伸ばしているしね」
「私は小っちゃいナチだ!背が低くて頑丈なのだ!」
「ポットはこのヤカンをファシストって呼ぶんじゃない?」
などジョークの応酬となった。この話題は米国の複数のメディアで取り上げられ、一躍ホットトピックに。
Telegraph紙がTwitterでこの件に関した記事についてつぶやくと、J.C.Penney側から「これは確かに予想外ですね。もし私どもが何かに見えるヤカンをデザインするなら、雪だるま型にするでしょう」というリプライが飛んだ。
このヤカンはまだJ.C.PenneyのECサイトで購入可能だ。記念におひとついかがだろうか。