Los Angeles Times
80年代の人気テレビドラマ『ジェシカおばさんの事件簿』を覚えている方はおいでだろうか。架空の町「キャボット・コーヴ」に住む推理小説作家ジェシカ・フレッチャーが、様々な難事件を解決するミステリーシリーズで、1984年から12シーズンもの長きにわたり制作、テレビ映画も4本放映された。日本でも1988年からNHKで放送されて多くのファンを獲得した。
この往年の名作がオクタヴィア・スペンサー主演でリメイクされることが決定したが、これをよく思っていない人がいる。オリジナル版で主役を務めた“元祖・ジェシカおばさん”のアンジェラ・ランズベリー(88)だ。
「これを『ジェシカおばさんの事件簿』と呼ぶのは間違っていると思うわ。だって、この作品はキャボット・コーヴと、この町の素晴らしい住人たちについて描かれるものよ。彼らがこの町を、そしてジェシカ・フレッチャーという個性的で希有な存在を楽しむことで、面白い物語が紡がれるのだから。『ジェシカおばさんの事件簿』というタイトルがまた使われるのは本当に残念だわ。その権利が正当なものだとしてもね」
アンジェラはAPの取材に対してこのように語り、オクタヴィアのファンだ、と言いながらも憤懣やる方なしといった様子だ。
人気作のリメイクにオリジナル版のキャストが異を唱えることは珍しくない。『宇宙空母ギャラクティカ』(1978)でアポロ大尉を演じたリチャード・ハッチも、2003年のリ=イマジニングシリーズ『GALACTICA/ギャラクティカ』に批判的だった。しかし、新シリーズで重要な役をもらい、わだかまりは解消。このような例もあることから、Los Angeles Timesは、リメイク版でアンジェラにはそれなりの役が割り当てられるだろうと予測している。