Lorde/Twitter
第56回グラミー賞で、最優秀レコード賞に輝いた「Royals」。この耳に残る名曲を作詞作曲したのは音楽業界に彗星のごとく現れた稀代の新人、若干17歳のロード(Lorde)だ。10代にしては落ち着きのある立ち振る舞い、あまりにも貫禄のあるパフォーマンス、そして、成熟された音楽センス……「この人本当に17歳なの?」と感じた視聴者は多いはずだ。
ロードの公式プロフィールには、ニュージーランド・オークランドのデヴォンポートで1996年11月7日に誕生、とある。本名はエラ・マリア・ラニ・イェリッチ=オコナー。母は有名な詩人であり、エラも幼いころからT.S.エリオットやエズラ・パウンド、アレン・ギンズバーグ、レイモンド・カーヴァー、そしてシルヴィア・プラスといった詩人や作家の作品に親しんできた。また、ニール・ヤングやフリートウッド・マック、ザ・スミス、ニック・ドレイクなどを聴いて育ち、音楽的な地盤も幼少期には固められていたようだ。
16歳11か月でリリースしたデビューシングル「Royals」は全米・全英チャートで1位を獲得。ニュージーランド出身の女性ソロアーティストが全米チャート1位に輝くのは初めてのことだったとか。当時も「16歳なんて信じられない」という声があちらこちらから上がっていたが、今回のグラミー受賞で、またも年齢詐称疑惑が取り沙汰されることになった。
グラミー賞前夜祭では、Vanity Fairのインタビューに「ハイ、エラよ。私、本当は45歳なの」と冗談めかすでもなく真面目な顔で言ってのけるなど、自らこの疑惑を楽しんでいる節もある。
この議論に終止符を打とうと立ち上がったのが女性情報サイトの「The Hairpin」だ。ニュージーランドの役所に大枚17.02ドルをはたき、出生証明書の写しを請求。提示された文書には、公式発表そのままの情報が掲載されていた。
つまり、ロードは17歳。これが事実だ。