先月、埼玉県でベビーシッターが子供を放置し死なせたといういたましい事件が起こった。日本ではあまり馴染みのない「ベビーシッター」だが、欧米では子育て家庭には欠かせない身近な存在だ。州によって多少の違いはあるものの、米国では12歳以下の子供だけを留守番させることは違法とされている。そのため、ベビーシッターは需要が多く、学生にとってもポピュラーなアルバイトとして人気が高い。ただし当然ながらシッターが皆、質のよい保育をするというわけではない。まったく子供の世話をしなかったり、虐待をしたりというケースもあるため、家の中に監視カメラを設置し、留守中の様子をリモートで見られるようにしておく親も多い。そのような予防策を怠った家庭にある悲劇が起こった。
昨年12月、バージニア州に住むメリッサ・デルプ(35)は、交際中のダニエル・ジェイニーと出かけるため、友人のアレクサンダー・エドワーズ(20)に、2人の娘の世話を頼んだ。親がいなくなると、エドワーズ13歳にも満たない子供たちにタトゥーに入れ始めた。1人には肩に彼女の名前を刻み、もう1人にも何かを刺青したというが、詳しくはわかっていない。
キャンベル郡の保安官によると、帰宅した母親とジェイニーは、娘たちの異変を察知。そこで2人は彼女たちを病院へ連れて行くのかと思いきや、カミソリを熱し、タトゥーの入った部分の皮膚を切り落とそうとしたという。この凶行は未遂に終わったとはいえ、少女たちの体には新しい傷が増えてしまった。この2人は以前から娘たちに対する虐待の疑いが持たれていたが、今回の件が決定的となり逮捕。エドワーズも同じく児童虐待の容疑で拘束された。
今週月曜日に、デルプとジェイニーは予審のため家庭裁判所に出廷。タトゥーを入れられた少女たちも別室で証言したという。この証言および審理内容については非公開。エドワーズは責任能力の有無が焦点となっているが、月曜の予審では結論は出なかった。