(C)Fader
今年3月にワン・ダイレクションを電撃脱退したゼイン・マリクが「Fader」誌のインタビューで、人気絶頂のグループから離脱した真意を語った。
「僕が聴きたい音楽じゃなかったんだよ。パーティで彼女と一緒にいるとき、ワン・ダイレクションを聴こうと思う? 僕は思わない。バンドにいたときに僕らがやっていたことは好きだった。でも、それは僕が聴きたい音楽じゃないんだ」と、目指す音楽の方向性の違いが一因であることを明かした。
そして、こう続けた。
「脱退した理由として最も大きいものは、実はもうビッグになりたいとは思っていないと気づいたことなんだ。チケットのセールスとかそういう意味じゃない。影響を与える人に対してだ。僕は正しいやり方でみんなの心を動かしたい。そしてみんなには、僕の言うことを信じていてほしいんだ」。
また、1Dのメンバーとして植えつけられたパブリックイメージにも違和感があったという。
「僕は本当は、すごくおおらかでのんきな男なんだけど、やたらとミステリアスで寡黙な感じに描かれることが多くて。僕はそんな風に設計されて、売られる商品だった」。
楽曲について意見を述べても、それは1Dには合わないと聞き入れてもらえなかったとか。お仕着せのイメージを言われるままに演じるアイドル(偶像)でいる現実と、アーティストとして活動したいという本心は加速度的に乖離してゆき、あの日の脱退に至ったのだ。
メンバーですら知らされていなかった離脱に、世界中のファンが驚愕し、裏切りだと憤った。ルイ・トムリンソンとはTwitterでたびたび喧嘩していることから、円満な脱退ではなかったことは火を見るより明らかだった。
しかし2週間ほど前、リアム・ペインに電話をかけ、脱退以来初めて言葉を交わしたという。
「あの時は理解できなかったけど、今なら僕がああしなければならなかったということが痛いほどわかる、と言ってくれたよ。バンド活動以外で、音楽や他のことに取り組みたいとも言っていた。結局みんなそうしたいんだよ」。
1Dは8月に、来年には活動を休止することを発表している。