Bloomberg Business
『PLAYBOY』創刊者で実業家のヒュー・ヘフナー(89)が住むロサンゼルスの豪邸、通称「プレイボーイ・マンション」が売りに出されることになったとBloomberg Businessが伝えた。売り出し価格は破格の2億ドル(約235億円)だ。
ヘフナーは1971年に105万ドルでこの建物を購入。29の居室の他、ワインセラー、ホームシアター、トレーニングジム、テニスコート、洞窟風のプールを備えた豪邸で、個人宅としては珍しく動物園免許を有している。プレイメイトと呼ばれるヌードモデルを筆頭に多数の美女を住まわせ、毎夜派手なパーティーが開かれていることで知られており、ドラマ『SEX AND THE CITY』でもメインの4人がヘフナー主催のプールパーティーに参加するエピソードが登場する。
『PLAYBOY』の世界の象徴だったこの建物を手放すことは、”プレイボーイ帝国”の改革の一環だ。1953年の創刊時から誌面を飾ってきたフルヌードのグラビアが、今年2月号を最後に姿を消す。ネット上で無尽蔵に無料ポルノを閲覧できる現代において、ヌード写真は時代遅れであると経営陣が判断したためだ。近年は発行部数も1975年の560万部から、80万部にまで落ち込み、業績悪化が顕著となっていた。
ヘフナーはこのマンションにただならぬ思い入れを持ち、引っ越すこともなく住み続けている。経年劣化が問題とされているが、モデルのカーラ・ハウによると、ヘフナーは建物に手を加えることを拒否しているという。内装は1980年代のままで、古い壁掛け電話が現役で使われており、寝室はかび臭く、とても寒いのだとか。また、このマンションの”売り”は建物それ自体ではなく、立地と1900平方メートルという敷地の広さにある。ヘフナーは売りに出された今も、このマンションを出ることなく生活を送っている。しかし、伝えられるところによるとヘフナーは加齢による衰えが著しく、弱り切っているという。おそらくは愛する自宅で最期を迎えることを願っているだろう。