New York Daily News
「最もセクシーなスポーツキャスター」にも選ばれたFox Sportsの人気キャスター、エリン・アンドリューズ(37)の裁判がついに結審した。
アンドリューズは2008年、ナッシュヴィル・マリオットに滞在中、レンズを外したドアスコープからスマートフォンで盗撮され、シャワー後の全裸動画をインターネット上にアップロードされるという悪夢のような被害に遭った。動画を撮影した配達トラックドライバーのマイケル・バレットは、動画公開から約3か月後、FBIに逮捕されている。
バレットは裁判で、犯行の動機は金だったと証言。ストーキングの罪で禁固刑を言い渡され、すでに服役を終えている。
2015年10月、アンドリューズはセキュリティ対策を怠ったナッシュヴィル・マリオットとバレットを相手取り、7,500万ドルの損害賠償を求めて民事訴訟を起こした。彼女の滞在日時や部屋番号をバレットにリークしたのはホテル従業員であったこともわかっており、プライバシーの著しい侵害も問題となった。
アンドリューズは裁判の中で、「このことが頭から離れないんです。最悪なのは、スタジアムを歩いているとき……こう考えてしまうんです。”ここにいる全ての人が、あのビデオを見ているんだわ”と。あのビデオは今もインターネット上に存在します。そして死ぬまで、あのビデオがいつでも人の目に触れるんだということを思い知らされるんです」と苦しい胸の内を涙ながらに証言し、民衆の同情と義憤を駆り立てた。
ITの専門家は、およそ1,680万人が問題のビデオを視聴したと分析。また、ヴァンダービルト大学の心理学博士キム・ブラウンも、アンドリューズは一連の被害でPTSDに陥っていることを証言し、これら専門家の発言が評決に有利に働いた。
強力な弁護団、ストーキングに関する新しい連邦法制定に向けて活動しているエイミー・クロブシャー上院議員、陪審員を務めたナッシュヴィル市民など、多くの人がアンドリューズをバックアップした。
そして米国時間7日、裁判はついに結審し、ナッシュヴィル・マリオットは5,500万ドル(約62億円)の賠償金をアンドリューズに支払うことを命じられた。
裁判終了後、アンドリューズはTwitterで、「ナッシュヴィル裁判所と職員の皆さん、そして陪審員の方々に感謝致します。私がナッシュヴィルの皆さんからいただいたサポートは本当に巨大なものでした。家族、友人、弁護団にも御礼を言います。皆さんの援助活動は、私が立ち上がることを後押ししてくれました。そして、ホテルにはすべての人の安全とプライバシーを守る責任があるということを証明したんです」というメッセージを発信。勝利を祝うコメントが多数寄せられている。