妊娠中期に母親が高熱を出すと、胎児の自閉症リスクが上がるという研究結果が発表された。
コロンビア大学のメールマン・スクール・オブ・パブリック・ヘルスの研究者は、1999年から2009年の10年間に渡り、95,754人のノルウェー人の出産と経過を観察。妊娠中に発熱した母親から生まれた子どもは15,700人いたが、その内583人が自閉症スペクトラム症を持っていたことがわかったという。
妊娠中の全期間において37.2度以上の熱を出すと、自閉症のリスクは34%増加し、特に妊娠中期の場合は40%にまで危険度が上がるという。発熱しても、イブプロフェンを服用して解熱した母親には自閉症児は生まれなかったが、このケースはサンプル数が少なく、エビデンスとするには根拠が弱いとしている。
論文の第一著者で、疫学と神経学の権威であるW・イアン・リプキン博士は、「今後の研究は、自閉症スペクトラムの一因となり得る出生前の感染症と炎症反応を確定し、予防することにフォーカスするべきだ」とコメントしている。