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柔らかな風を浴び、のどかな田園風景を走っていく愛らしい電車――。「ことでん」と呼ばれる、高松琴平電気鉄道(香川県)の開通100周年を記念して製作された映画『百年の時計』は、新米学芸員と年老いた芸術家が主人公。学芸員の涼香を演じたのが木南晴夏だ。

きなみ・はるか☆

85年8月9日生まれ、大阪府出身。01年、第1回ホリプロNEW STAR
AUDITIONグランプリを獲得して芸能界デビュー。おもな出演作に映画『20世紀少年』(09年)、ドラマ『家族八景』(TBS系)などがある。7月
より舞台『小野寺の弟・小野寺の姉』に出演予定。

映画『百年の時計』

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監督/金子修介 テアトル新宿にて公開中
(c) さぬき地産映画製作委員会/真鍋康正 小松尭 大久保一彦 金子修介 金丸雄一

 

――作品は香川県高松市が舞台となっていますが、木南さんは、プライベートで香川に行ったご経験は?
image「一度だけ、うどん巡りをしに行ったことがあって、それ以来です」

――今回、撮影で行ってみて、新たな発見はありましたか?
「やはり『うどん県』といわれているだけあって、うどん屋さんが多いなぁ、と思いました。行ける時間は結構、うどん屋さんに行きました。6軒か7軒は行ったと思います。それから、海もあって、山もあって、都会もある。3つが共存している、美しい場所だなぁ、と。撮影では山にも登ったんですけど、緑が多くて。それは意外でしたね」

――涼香という新人学芸員を演じられています。彼女の役をどのように分析しましたか?
「涼香のキャラクターが、最初にいただいた脚本と、最終的に決定したものとで、すこし変化していて。かなり、私にキャラクターを近づけてもらったような気がします。それが、自分としては演じやすかったです」

――具体的にはどういうところでしょう?
「恋人やまわりの人に頼らず、とりあえず自分ひとりでがんばってしまう。そういうところはすごく似ているかもしれません。涼香は、最後には『これからは頼るね』と、言っていましたけど」

――木南さんには、頼れる人が今いますか?
「まだ見つかっていないですね(笑)」

――この作品が長編映画で初主演となりますね。
image「本当にうれしかったです。金子修介監督のご家族の方が、私の過去の出演作を見て、推薦してくださったそうで」

――それはうれしいですよね。役者冥利に尽きる、と言いますか。
「オファーをいただいて、企画書を見たときから、すごくすてきな映画になりそうだと思ったので、なおさらうれしかったです」

――ミッキー・カーチスさんの存在感も、作品に厚みを加えています。共演のご感想をお聞かせください。
「2人でいるシーンが多いし、怖い方だったらどうしようと少し不安もありましたけど、初めて会った瞬間から、優しくて話しやすくて。茶目っ気があって、本当に不思議な魅力を持っている方だなと。目があうとウインクをしてくれて、好きになりそうでした(笑)」

――ミッキーさん演じる芸術家の安藤行人は、時計を大切にされていました。木南さんが長年、大切にしているものはありますか?
「手紙ですね。上京するときに友達や親からもらったもので、『東京へ行っても忘れないでね』とか『(同じ事務所の)優香ちゃんのサインをよろしく!』とか。今読むと、面白くて元気になれます。母親からの手紙には『つらくなったらいつでも戻ってきなさい』って書かれてあって。たまに読み返しては、ウルッときたりします。10年以上も保管しています、大切に」

――この作品の魅力や見どころはどういうところにあると思いますか?
「過去から現在、そして未来、その時代を生きていた人たちの、いろんな想いが描かれているところです。私がすごくキュンとしたセリフに『これまでと、これからの時間をあなたに捧げます』というのがあって。すごくステキだなって思ったんです。これからの時間をいっしょに過ごしたいって思える人と巡り合えるなんて、すごく素晴らしい。どのように生きたいか、誰と生きたいか。そんなことを、改めて思わせてくれる映画ではないかと感じました」

――木南さんはこれから、どのように生きていきたいですか?
image「一生、女優をしたいという思いはあります。でも、この間、脳科学者の茂木健一郎先生が『どんな道を選んでも、それが自分の自己ベスト』という内容の話をされていたんです。『あっちの道を選んでいたら……』と仮定の話をしても、結果としては選んでいないのだから、今、選んでいる道こそが、自分の道。そう信じて生きて行こうと。今は女優をやっていきたいと思っていますけど、ふとした瞬間、違うことに興味を持って、そちらを選んだとしても、それがそのときのベストなのかもしれません。つねに目標や夢はありますが、今の自分の感覚を大事にして生きたいです」

――では最後に、作品のPRをお願いします。
「『誰かのためになっている』『誰かのためになりたい』と感じることって、すごく大切だと思うんですよね。だから、この映画を観て、これからの時間を誰と過ごすのか、改めて考えるきっかけになれば・・・私もこれからの時間、誰かと過ごしたいと思っています」

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