最近は、プライベートで街を歩いていても、役名で声をかけられることが多いと話す。
「『梅ちゃん先生』に出演していたときは、『光男』と呼ばれることがとても多かったです。『35歳の高校生』のときは、ドラマでピンクのパーカを着ていたので『ピンクのパーカの人ですよね?』って。声をかけてもらえるのは本当にうれしいです」
話題作で立て続けに印象的な役柄を演じている、そんな野村周平が出演する映画『江ノ島プリズム』が公開される。過去へタイムスリップしてしまうというSF的要素と、少年2人と少女1人の甘酸っぱい恋愛模様が描かれる青春ドラマだ。野村が演じるのは、元気な主人公・修太(福士蒼汰)の幼なじみで、心臓に病気を抱えた高校生・朔。
「朔は〝ツンデレ〞で、いつもいろいろなことを一歩、引いたところからクールに見ているコです。心臓が悪いという設定なので、あまり活発な演技にならないよう意識して演じました。内面は僕と似ているかもしれないですけれど、朔のほうが真面目で賢そうかな。僕自身は、勉強はあまり得意じゃなくて、スノーボードやスケボー、BMXで遊んだりするのが好きなんです。似ているようで似ていない感じでしょうか」
これまで演じてきた役柄から、動より静のイメージが強い彼。しかし、じつは大のスポーツ好きなんだとか。
「なぜか、そういうイメージがないみたいなんですよね。公園で遊んでいても、周りにぜんぜん気づかれないんです。読書でもしていたほうがモテるんでしょうかね?モテます?じゃ、そうします。これからは、カフェで静かに本を読んで過ごします(笑)」
そんなノリのよさと明るさから、ふだんの元気な様子がうかがえる。本作では、福士蒼汰や本田翼ら、同年代の役者陣との共演となった。撮影現場も、さぞにぎやかだったのでは?
「最初のうちはなかなか話せなかったんですけど、徐々に打ち解けて、いろいろな話をしていくようになりました。幼なじみという設定なので、仲のよさを出していこうとも思っていましたので。とくに福士くんとは、演技のことや、将来どういう役者になりたいかなど、たくさん話をしました。(ロケ地だった)真冬の七里ヶ浜の風は冷たかったですが、毎日、きれいな風景が見られて、癒されることも多かったです」
デビューから数年。芸能界に入ったきっかけは、父親が応募した芸能事務所のオーディションで、グランプリを受賞したことから。最初は戸惑いもあったが、今は「仕事が楽しい」と話す。
「運命って、本当にわからないですよね。父が『賞金がもらえるかも』と応募して(笑)、まさかのグランプリを取ってしまって。それまで、芸能活動する自分なんて、まったく想像したことがありませんでした。華やかなだけでなく、大変な面もありますが、楽しく仕事をさせていただいているので、今は父に感謝しています」
今後、挑戦したい役を聞くと「今はいただいた役を、一生懸命やるだけです!」と優等生的な発言が。しかし直後、こっそりこう付け加えるあたりに、スポーツ好きでユニークな19歳の素顔を垣間見た。
「でも願望としては、少女マンガに出てくるような、めちゃくちゃモテる役をやってみたいです。現実ではまったくモテないので(笑)」
のむら・しゅうへい
’93年11月14日生まれ、兵庫県出身。’09年『THEPUSH!マン ~あなたの周りのイケてる子募集~』でグランプリを受賞。’10年にドラマ『新撰組 PEACE MAKER』(TBS系)で俳優デビュー。おもな出演作に連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(NHK)などがある。10月に映画『男子高校生の日常』の公開が控えている。
映画『江ノ島プリズム』
監督/吉田康弘 8月10日(土)~、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー