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●夢は信じれば必ず叶う、とは言わないけれど

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――数字。プロフェッショナルになると、あらゆる行動の結果が数字となって自分に返ってくる。売り上げ、動員、PV、視聴率、聴取率……ここに顔を揃えた2人のプロフェッショナルに、自分の「数字」との付き合い方を聞いてみた。

 

福山「やっぱり気にならないと言ったら嘘になりますね。ただ、何もしなかったのに高評価を得たこともあるというのも確かで。自分がわかりやすく置いたハードルを越えたことによって、それが必ずしも数字につながることにはならないんだなっていう。やっぱり変に焦らず、ちゃんと日々の努力をするしかないんだなということに必ず辿り着くんです。数字の細かい部分を気にするよりは、1年おきでも毎日でもいいんですけど、自分自身の行動を振り返って、ちゃんと向かいたい方向に進んでいるかっていうことを、落ち着いて考えるのが大切だなと思いますね」

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カフカ「私は、焦ることはあります。確実に時間も費やして作り上げてきたけれど、それが次に繋がらなかった、ということがあって。今まで自分のやってきたことを疑うことになってしまうから、ちょっと難しいところなんですけど……。ちゃんと整理がついていないんだと思います。自分の中でこういうことに対処する、明確な術を見つけていきたいなと思っています」

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福山「数字に縛られてなかなか夢を持ちづらい……って、こんな話前にしたよね」

 

カフカ「あ、下高井戸のスタジオに向かう途中で」

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福山「はいはい、電車で会ったとき」

 

カフカ「そうそう。『音楽を辞めるっていうことも想像したことはないし、辞めようと思ったこともないでしょ?』って言われて、監督もいまなさっている仕事を辞めようと思ったこともないし、それがない生活も考えたことがないっていうこともおっしゃっていて、そういう人間が軸を強く持っていられるんじゃないかなって私は信じているんですね。っていう話をしていて。最近『ティーンエイジャーにひと言』ってよく言われるんですけど、難しいですよね。ただ、ふわっとしてますけど「信じれば必ず叶うとは言えない。信じないと叶わないものが多いから、その都度都度で自分に問いただして、一番ベストと思う道を行けばいいんじゃないですか」っていうことを言っています」

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福山「カフカさんや私のように、やりたいことがあって、それを疑うこともなく突き進んでいる人は、非常に幸せだなと思うんですよね。今の世の中はどちらかというと、そういう人が少なくなっていて、たとえ夢があっても、その夢を仕事にするためには多大な努力をしなければいけない、って思いこんでいる人が多いんじゃないかな。努力をしたから報われるわけではないけれど、夢を実現させた人は努力しているな、というのはいろんな人にお目にかかって実感することなんだよね。アメリカなんかで暮らしていると、みんな仕事は仕事として捉えてる。例えばずーっと山が大好きな人が、一生懸命働いて50歳でパーンと仕事をやめてそこから山暮らしを始めたり。私の友人にも教師になる夢を持ち続けながらこの業界で働いていた人がいたんだけど、ある日突然教師になっちゃったりね。この仕事をしたい人からすると、『なんで?』って思うかもしれないけど。無理をしないほうがいいと思いますね。嫌いなことは続かないので、楽しく続けられることはなんなのかって考えて、一見、人に堂々と言えなさそうな話でも、好きな事を続けられるといいよね。だってむちゃむちゃ好きでしょ?自分のドラム」

 

カフカ「自信はありますね(笑)」

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――福山さんはドラマーとしてのカフカを高く評価しながら、映画『愛を歌うより俺に溺れろ!』でカフカの女優の引き出しを開けた。

 

カフカ「監督自ら私を選んでくれたというのがすごく嬉しかったです。本当に裏表のない人っていうのは桜子さんみたいな方のことを言うんだろうなって。そんな方と1つの作品を作れたのは本当にありがたいと思っています。これからもよろしくお願いします」

 

福山「カフカさんは私に選んでもらった、という言い方をしたけれど、私からするとなんてステキな人に出会えたんだろう!という感じ。『あーっ、この人好きだ!』って思っていたら、カフカさんも『好きです』って言ってくれて(笑)」

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カフカ「(笑)」

 

福山「もう告白だね(笑)。この仕事は特にそうだと思うんですけど、年齢に関係なく、選ばれた以上は役割分担がはっきり存在してる。カフカさんはそのことをちゃんと理解して、しっかりと両足で立っているという印象が強かったので、本当にかっこいいなと思います。これから本当にいろいろなことがあると思うけれど、まず第一に自分の”大好き”に、大いなる愛に向かって進んで行けば何の問題もないと思うので、またご一緒できるように私も努力していきたいと思います(笑)」

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カフカ「ありがとうございます(笑)」

 

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