片岡愛之助でございます。
名古屋・中日劇場の4月公演が無事終わり、いよいよ5月2日(土)から、東京・明治座「明治座 五月花形歌舞伎」がはじまります。これもご来場いただいた皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
わたくしは、昼の部は『男の花道』に、夜の部は通し狂言『湧昇水鯉滝 鯉つかみ』(わきのぼるみずにこいたき こいつかみ)で早替りで六役を勤めさせていただきます。
宙乗りあり、本水での立廻りあり、歌舞伎の醍醐味がこれでもかと詰まった超スペクタクル作品に仕上がっております。進化した『鯉つかみ』、ご期待ください。
明治座『明治座 五月花形歌舞伎』(C)明治座
明治座では、名古屋に引き続き、市川猿之助さんと共演させていただきます。
僕の“親友”の1人ですが、よく思うのは彼は天才だということですね。
やっぱりDNAはすごい。
僕は子役時代、今の猿翁さんにおんぶしてもらった思い出などがございますが、芸事ひとつ見ているだけでも、猿之助さんからもちゃんとそのDNAを感じるんです。やっぱり血筋ってすごいなと思いますね。
そもそも、猿之助さんととても仲よくなったのは、’03年11月の東京・新橋演舞場公演の『宮本武蔵』で共演させていただいてからです。武蔵役が今の市川海老蔵さんで、僕が佐々木小次郎、猿之助さんは武蔵の恋人のお通を勤めさせていただきました。
それまでは、猿之助さんは“おもだか屋ご一門”でお芝居をなさっていたため、共演の機会がなかったんです。そこで初めて顔見知りになって、’05年お正月の「新春浅草歌舞伎」のときに楽屋が一緒になった。そこからものすごくよく話すようになりましたね。
’10年、11年と四国香川県琴平町の「こんぴら歌舞伎」でも共演しています。
こんぴらの金丸座は、日本最古の芝居小屋。国の重要文化財の指定も受ける由緒正しい劇場です。
ここで芝居が打てるのは、歌舞伎役者としてはたいへん光栄なことなのですが、観光地ではあるものの、芝居がはねたあとの夜9時以降は、食べ物屋さんは全部終わっている状態。
泊まっているホテルも、小屋からすぐ坂を下ったところにあり、浴衣でも帰れる近距離にあるので、毎日芝居が終わると、食べ物を買い込んで“宅飲み”するしかないわけです。
そんなある日、僕は飲む気満々で、ドラマで共演した草彅剛くんからもらった金粉入りの一升瓶をわざわざ四国まで持ち込んで、さらにはワインの白と赤とシャンパン、4~5本も持ってお弟子さんのところで飲もうと、タクシーを走らせました。
部屋に入ったらベッドが4つもある広い部屋で。そこでみんなで盛り上がっていました。
そこへ、猿之助さんから「どこいるんですか?」と電話が入りました。
そのときのこんぴらでは、猿之助さんのホテルの部屋は僕の隣。今みんなで飲んでるからと断っても、「来てくださいよ」と譲らない。人数が多くてもいいというので、みんなをタクシーに乗せ、猿之助さんの部屋にお邪魔しました。
僕もいける口ですが、猿之助さんもお酒が強い。
よっぽど気持ちよかったのか、猿之助さんは途中から「ワーッ!」とか叫びはじめた。窓を開けて外に向かって叫んでる。やめなさいと注意しても、やめない。
しまいには、僕の部屋にまで来て叫んでましたからね。
でも彼は昔は飲めなかったそうなんです。自分では「メチャ飲みはしない」と言っていますが、僕が見ているときは、いつもメチャ飲みしてます(笑)。
そんな面白い一面もある猿之助さんとは、明治座では『男の花道』で共演します。
http://www.meijiza.co.jp/info/2015_05/
チケットは、インターネット予約「席とりくん」
または明治座チケットセンター 03-3666-6666までお願い致します。
BS日テレでは、木曜夜9時から「片岡愛之助の解明! 歴史捜査」が好評放送中です。
BS日テレ『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』(C)BS日テレ
歴史大好きですから、自分の名前の入ったテレビ番組のMCをやれるなんて、本当に光栄なことです。
僕はチーフということで、部下の捜査員に指令を出して、知られざる歴史を発掘していくわけですが、その視点の面白さと、意外さには毎回ハッとさせられます。その謎を専門家の皆様がわかりやすく解説してくださるのですは、思わず身を乗り出して、本気で聞いてしまいますね。
4月30日には西郷隆盛の謎の回がアンコール放送もされますので、見逃した方はぜひご覧になってください。
テレビ東京系で毎週月曜深夜23時58分から放送されているドラマ「LOVE理論」。
テレビ東京『LOVE理論』(C)テレビ東京
ネットでもいろいろな方が面白いとその本気度を取り上げてくださっているようです。
わたくしの周囲でも実践に役に立つ、と反響が出始めています(笑)。
楽屋の身の回りのことをやってくれている塚本女史も第2回放送を見て、「執着分散理論、覚えました。だから好きな人をいっぱい作ろうかなと思いました」と早速LOVE理論、使ってくれるみたいです。
撮影は目下進行中ですが、いちばん言いにくいセリフは、“AKKKNM理論”! 覚えるのが大変です。
これからも“綱吉理論”など、面白恋愛メソッドを毎回披露していきますので、乞うご期待!
みなさんもゴールデンウイークを満喫してください。まだ楽しみが見つかっていらっしゃらない方はぜひ歌舞伎に足をお運びください。
またゴールデンウイーク明けにお会い致します。
片岡愛之助
プロフィール
1972年3月4日生まれ。’81年12月、十三世片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で片岡千代丸を名乗り初舞台。’92年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。’07年12月上方舞・楳茂都流の四代目家元を継承し、三代目楳茂都扇性(せんしょう)を襲名した。