11月29日から全12回で放送されるNHKドラマ『坂の上の雲』の試写会が4日、東京・渋谷の同局で行われ、俳優の本木雅弘(43)、阿部寛(45)、香川照之(43)、女優の菅野美穂(32)が出席した。ドラマは幕末維新を乗り越え、近代国家の建設を図った明治の時代に生きた若者たちの青春群像を描いた作品。原作は司馬遼太郎の同名小説。愛媛県松山出身の秋山好古、真之兄弟、正岡子規の3人を軸に、明治という時代のエネルギーと苦悩を描く。脚本家の野沢尚さんが自殺で亡くなり、2003年1月の制作発表から7年、撮影開始から2年の歳月を経て、ようやく第1話が完成した。本木は「第1稿を書かれて亡くなった野沢さんに、やっと見て頂ける。期待して待っている皆さんを裏切ることはないと思う」と自信を見せた。菅野は自身の撮影シーンのない海外ロケ先を自費で訪れ、共演者やスタッフを激励するほど思いの強い作品になったと明かし「清涼感と胸が熱くなる内容。日本人の持つ前向きな部分を、沢山の人に見てもらいたい」と語った。正岡子規役の香川は「自分の役の撮影は終わって10カ月になるが、こうして3人(本木、阿部、菅野)と会うと、まだ自分の内側に子規がいると感じる」と白い歯を見せた。 (撮影:河崎文雄)

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