俳優の長門裕之(75)が11日、都内で開催された『介護シンポジウム』で特別講演を行った。先月21日に最愛の妻・南田洋子さん(享年76)を亡くしたばかりの長門は、認知症の妻を支えた4年間を踏まえ、「大切なのは、介護する者とされる者の垣根を取り払って、一体化すること」と熱弁。講演後の囲み会見では、洋子さんが天国に旅立って日が浅いとあって「今でも洋子の位牌に向かってしゃべっています」と胸中を吐露。10日に亡くなった森繁久弥さん(享年96)についても触れ「生きていることが洒落のような人でしたが、失ってみるとその大きさが如実に分かります。『日本の芸能界はどうなるんだろう』と思いますね。ああいう人は石ころになっても生きていないといけないのに」と偉大な先輩を称えた。デビューした10代のころから60年来の知り合いで「結構前ですが、パーティーの時洋子に、森繁さんは『女が待ってるぞ』とそればかり。僕を苛めましたね」。また、「セリフは全部カンニングペーパーで、これでも役者ができるのかと思ったこともあった。台本で森繁さんのセリフはあるのに、ぼくのところが『…』になっていて、腹が立ったこともありましたよ。」と森繁さんのいたずら好きな一面も明かしていた。(撮影:柴田悟)