12月19日、先の選挙で当選した橋下徹・前大阪府知事(42)が正式に大阪市長に就任した。かねてから「大阪市をぶっ壊す」と宣言していたとおり、次々と改革案を発表している。

だが、多くの問題が山積し“伏魔殿”とまで称される大阪市のいったい何が問題なのか。大阪市の“闇”について、大阪市の市民グループ『見張り番』の松浦米子さんは「大阪市には不透明な補助金がたくさんあります」と語る。

大阪市には『地域振興会(いわゆる自治会)』があり、そこに支払われる補助金は交付金も合わせると年間4億3千800万円に上る(’10年)。このほか、市民から徴収する町会費で各自治体は運営されている。この補助金の使い道が不明であると、松浦さんは指摘する。

「なかには、寝たきりの状態になって、会合に出席できないにもかかわらず、会長や役員の座を手放さない人もいます。それだけ“おいしい”役職なんです」

また大阪市には、各区に『社会福祉協議会』という公共の福祉団体がある。この団体の理事が、地域振興会の会長を兼任している例が多いという。もちろんこちらにも補助金が拠出されている。松浦さんとともに活動する一柿喜美さんはこう話す。

「一番の問題は、これらの補助金がすべて役員の個人口座に振り込まれていること。さらに名目ごとに何十と口座を作り使途を不明朗にしています。役員はわずかな備品を自治会のために使ったと報告し、市もそれ以外の使い道を問い詰めないというのが暗黙の了解になっている。そのかわり市長選では自治体を挙げ現職候補を応援するよう運動します」

改革は断行できるのか――。

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