現在、大阪市の顧問弁護士は、元最高検察庁検事総長の土肥孝治氏と、元大阪高検検事長の逢坂貞夫氏が務めている。ともに検事から弁護士となった『ヤメ検』といわれる弁護士だが、その顧問弁護士について疑問の声が上がっている。
ほとんど仕事をしていないにもかかわらず、顧問料として月に15万〜20万円の顧問料が支払われているというのだ。自身も弁護士で、大阪で市民オンブズマンとしても活動している、井上善雄氏はこう話す。
「仕事という仕事をしていないのに、これほど高い顧問料を得ていることは珍しいことです。また、もと検事総長が顧問になっているということは、大阪市を訴える市民団体に対して“にらみ”を利かせている、と見られてもおかしくはありません」
この点について確認をすべく、土肥孝治法律事務所に問い合わせたところ、『取材はお断りしたい。具体的な話をする必要はない』と取りつくしまもなく電話を切られてしまった。さらに井上弁護士は、逢坂弁護士についてもうひとつの“問題”を指摘する。
「逢坂弁護士は、大阪市の入札業者でもある西松建設の取締役も兼ねています。その意味で、たいへん“不適切”な方だと思います」
西松建設といえば、かつてOBが代表を務める政治団体を通じ、大物政治家に違法献金が行われたと報じられたこともある企業だ。この件について、逢坂貞夫法律事務所にも取材したのだが『本人不在のため、わかる人がいません』との回答だった。
有力な支援者は厚遇でもてなし、職員への天下り先を確保、そして、“反対勢力”とみなした相手には、無言の圧力をかける―——。これこそ、大阪市が“伏魔殿”と呼ばれるゆえんなのだろうか。新市長には、ぜひとも“大掃除”を期待したいところだ。