「家内は、『私は桂三枝と結婚したんだ。三枝に立派になってもらいたくて、これまで苦労してきた。私は桂文枝になってほしくてやってきたんとちゃう』言うて、ずっと反対しています」

と語るのは、今年7月に関西落語会の大名跡「六代目桂文枝」を襲名する桂三枝(68)。襲名にあたって、家族からの猛反対があったというのだ。

「家内は夫が出世することをもろ手を挙げて喜ぶタイプではないですから。それは逆によかったと思うんですけど、これからはなんとか協力していただけるよう、お願いしながらやっていけたらと思います」

襲名について唯一相談した立川談志(昨年11月21日死去、享年75)にも、反対されたという。

「談志師匠は『せっかく三枝という名前を大きくしたんだからやめとけ』と、最初から襲名には反対でした。襲名する旨をお伝えしたら、師匠から『じゃあ仕方がない、勝手にしろ。三枝のバカヤローへ』というファクスをいただきまして。最後まで反対でしたね」

それでも三枝はこう決意を語る。

「先代は、風前のともしびだった上方落語をなんとか残そうと、力を注いだ方でした。今度は、次の世代のために新しい落語をどんどん創って、広めていく。それが僕の役目かなと思って(襲名を)決意したんです」

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