1月1日14時28分、マグニチュード7で最大震度4の地震が、東日本を揺らしたことは記憶に新しい。その直後の1月2日、福島県発表の放射性物質の降下量が急上昇していたという。
そのセシウム量は、12月31日の約30倍。12月29日と比べれば約80倍もの増加である。しかし政府は国民に対して何の警告も発していない。
「今回のセシウム急増の原因は、地震による福島第一原発四号炉からの放射性物質の放出かもしれません。このままでは、福島第一原発から250キロ圏内の横浜市くらいまでは退避しなければならない可能性があると思います」(京都大学原子炉実験所の小出裕章助教授)
最悪のシナリオとは、福島第一原発の事故当初、新たな水素爆発が起きるなど事故が拡大すれば、半径170km圏内は強制移住、首都圏を含む250km圏内でも非難を迫られる可能性を政府がまとめていたものだ。
東京電力は1月1日の地震の影響で、確かに4号炉に異変があったと認めた。
「通常、燃料プールの水位低下は毎時16ミリですが、今回は毎時80ミリになりました。地震の影響によるものだと考えられますが、水漏れや有意な変動は見られず、問題なかったものと思われます」
福島第一原発は本当に収束に向かっているのだろうか。前出の小出教授はこう警鐘を鳴らす。
「現在の4号炉では、水に漬かっているだけの核燃料が不安定な状態で空中にぶら下がっていると想像してください。それがバランスを崩して水から露出すれば、裸の核燃料棒が大気中に出てしまいます。私は大きな地震で4号炉は崩壊すると思っています」