ドラマで共演した萩原健一から「寂聴さんを師匠みたいに思っている」と聞かされて以来、瀬戸内寂聴さん(89)に会いたいと思ってきたという東山紀之(45)。今回その願いが叶い、2人の対談が実現した。
「今までにいろいろな誘惑がいっぱいあったでしょう。この仕事を一緒にしませんか、いいビジネスがあるからしませんか、というのが」と寂聴さんが話を振ると、東山は、母親についての知られざるエピソードを語り始めた。
「僕はこの道で生きていきたいですね。バブル経済の末期、理容師の母は生活を安定させようと自分の店を開こうとしたり、僕の将来を思ってマンションをいくつか買っていたようです。それがバブルの崩壊で巨額の借金が残って……。僕が7〜8年かけて返済しました。そのとき、僕は商才のない母の血を引いているのだから、芸道以外のことに絶対手を出すまいと決めたのです」
昨年11月には、女優で妻の木村佳乃(35)が待望の第1子となる女児を出産し、パパとなった東山。「もし男の子ができたら、あなたのような俳優にさせたいと思う?」と寂聴さんが聞くと、彼はこんな“夢”を明かした。
「いや、僕は今の子もそうですけど、医学の道に行ってほしいなと思っているんです。大震災後に被災地をお訪ねする機会があり、人の命を救える医学がいちばん大事なのかなと、思いました。本人がどう選択するのかは任せるんですけど、僕の希望はやっぱりお医者さんですね」