昨年、大ヒットドラマ『家政婦のミタ』で一気に注目を集めた現役女子大生女優・忽那汐里(19)。雇い主一家の長女役としてミタさんと、言い争いぶつかり合い涙する体当たりの演技は高い評価を得た。そんな彼女、実は生まれも育ちもオーストラリア。’06年、第11回『全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞を受賞し、それをきっかけに日本に来たのだという。

「オーストラリアでも家では日本語を使っていましたが、語彙や発音はまだまだ。でも敬語だけは上手いといわれます(笑)。日本語はとても美しいから、日本人としてそこは譲らず、綺麗な言葉を受け継いでいきたいんです」

来日したころは、何でもオブラートに包んで伝える日本のやり方には戸惑ったという。しかしストレートに言いすぎるよりも、考えて言葉にする日本の会話に、13歳の彼女は「おもしろい」と感じたという。

「向こうでは”Shi”と呼ばれてましたが、英語を話すときの私は日本語で話している今とはぜんぜん違う人格です。英語のときは単純に、ずっとポジティブ。そしてフランクですね。今の私ももちろん私なんですが……これはとても不思議ですね」

口調はゆったりと優雅で落ち着いている。『家政婦はミタ』での彼女とはまるで別人だ。日本語で考える彼女は、静かにこう語った。

「私も、もっと勉強してひきだしを増やしていかないと。お芝居の経験はもちろん、人としての経験をたくさんしていきたいです」

ところがプレゼントに”キノコとこけし”の小物を渡した瞬間、声のトーンが一変。

「ひゃっ、めちゃめちゃ嬉しい!私、キノコとこけし、本当~に大好きなのっ!」

その笑顔のなかに、”Shi”と呼ばれた少女が見えた――。

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