3月29日午後1時20分。押尾学・元被告(33)は東京都千代田区にある東京高等検察庁に出頭した。これから3年6カ月の服役生活を送ることになる。本誌はこの日、高等検察庁に出頭する押尾元被告に独占密着した。
3月上旬に、本誌がインタビューを行ってから3週間余。黒く染めていた髪は金色に染めなおされていた。当時より、ややふっくらしたようにも見える。
出頭を1時間半後に控えたその日の午前、押尾元被告は都内のある事務所にいた。別れを惜しむ友人たちが集まり、彼を囲んで昼食をとっていたのだ。友人らを前に、押尾元被告は努めて明るく振る舞おうとしているように見えた。
押尾元被告に、本誌が「収監前の最後のメッセージ」を依頼すると、彼は黙ってボールペンを執った。紙に向かい、少し書き始めては止まるペン。そして心の中を表すように、ときおり筆跡は乱れる。メッセージを書き終えると、押尾元被告は小さく息を吐いた。そして、出頭の45分前。押尾元被告はワゴン車に乗り込み、高等検察庁へと向かった――。
出頭前、彼はこう綴っていた。
『あの事件以来、僕の人生は地獄の底まで落ちました。それでも、ずっとそばにいてくれた家族や友人たちには本当に感謝しています。これから3年6カ月、自分を見つめ直し、(中略)お世話になった方々に恩返しできればと思います。平成24年3月29日 押尾学』