「息子が自殺しなければならないほどのいじめとはどういうものだったのか。一日も早く事実と原因が解明され、一人でも多くのいじめに悩む生徒を救えることを望む」
昨年10月に中学2年生の若さで自ら命を絶った滋賀県、大津市の男子生徒(享年13)の父親は、こうコメントを出した。
7月17日、加害者とされる同級生男子生徒A、B、Cと保護者死を相手どり約7千700万円の損害賠償を求めた裁判の第2回口頭弁論が行われた。法廷で市は態度を一転して和解の姿勢を見せたが、イジメの事実は隠し続けてきた学校の態度は、曖昧なまま。
本誌は19日、自宅から軽トラックに乗って出てきた校長を直撃した。窓ガラスを開けて「すまん」と言うように片手を立てた校長。そして「取材はちょっと。へへっ」とはぐらかすように笑い、去っていった。
7月18日には、暴行など6件の罪で刑事告訴された3人。彼らは今後どうなっていくのか。少年法に詳しい濱川俊弁護士はこう語る。
「加害少年に対して不処分ということはないでしょう。事実認定が焦点になりますが、暴行など6件の容疑すべての認定は難しいでしょう。そのため、少年院送致などではなく、最長2年間の保護観察処分にとどまるのではないでしょうか。この場合、加害少年たちは今後も今と同様の生活をおくることになります」
自殺した中2少年の無念がはらされる日は来るのか。