-戦後の日本のファッションや音楽など、さまざまなカルチャーに多大な影響を与えてきた美輪明宏さん。脚光を浴び続ける現代の“麗人”が今、大人の女性が美を磨くための『ファッション論』を語ってくれました。
「今のファッション界に、新しい表現方法は何もないんです。戦前のものを繰り返してしるだけ。レディー・ガガのファッションだって、’20年代に活躍したエルテという、ロシア生まれの芸術家のデザイン、そのままですからね。
だから今、新しいか古いかということは、価値観の基準にはならないのです。本当によいものか、悪いものかだけが、基準になるわけです。
そして、自分に似合うか似合わないか。「似合うもの」と「好きなもの」は別です。好きだけど似合わないのって、滑稽なだけですからね。そのためには、自分をまず知ること。これがオシャレをするためのコツです。
ファッションは自分の背丈や肩幅だけでなく、自分の生い立ち、生活環境、仕事、さらには着る目的や、行き先のインテリアに合うか合わないかなど、いろいろなことを総合して考えることが大事です。
そこから弾き出した答えから、服装やカバン、靴などをトータルで選ぶ。それがちゃんとできれば、着ている服だけが浮き上がらず、オシャレな大人の女性になれるのです。これがファッションの基本です」