「本放送だけでなく夕方の再放送の視聴率も好調なので、社長の『これで役者も脚本家もギャラが上がります!』という発言に、出演者やスタッフたちは盛り上がっていましたね(笑)」 (テレビ局関係者)
3月3日、新宿のホテルで水谷豊(60)の主演ドラマ『相棒11』(テレビ朝日系)の打ち上げが行われた。歓談が始まり、水谷が真っ先に足を向けたのは鈴木杏樹(43)のもとだった。彼女はこのドラマの収録中の2月1日に、夫で外科医の山形基夫さん(享年56)を亡くしたばかりだ。
「水谷さんは、ご主人の訃報を知ったときもすぐに連絡を取っていました。水谷さんは日ごろから『相棒』のスタッフや出演者を”家族”と呼び大切にしていますから」(テレビ局関係者)
監督、脚本家に続き、レギュラー陣のトップバッターで挨拶にたったのが、杏樹だった。
「シリーズ10から再び出させてもらって、最初は緊張しましたが、みなさんのおかげでだいぶ慣れてきました。最近は私事で皆さまにご迷惑をおかけしました。その節は、ありがとうございました……」と、少し声を詰まらせながら語った。
涙ぐみながらの感謝の言葉に、会場の雰囲気も静まりかえった。ところが一転、彼女は明るくこう訴えた。「脚本家の方々にお願いがあります!私を外に出してください!ロケに行きたいんです」
ドラマでの杏樹の役は小料理屋の女将なので、基本的に店内のシーンばかり。屋外で撮影することはほとんどない。「沖縄とか地方ロケに行っている人もいるじゃないですか!私も行きたいです!」
杏樹の笑顔での直訴に、会場もさっきの悲しみが嘘のように温かい空気に包まれた。打ち上げを沈んだ空気にしては申し訳ないという、杏樹の気遣いが伝わってくるひとときだった。